谷出正直(たにで・まさなお)/1979年生まれ。エン・ジャパンで新卒採用支援事業に約11年携わり2016年に独立。採用コンサルタント・アナリストとして活動
谷出正直(たにで・まさなお)/1979年生まれ。エン・ジャパンで新卒採用支援事業に約11年携わり2016年に独立。採用コンサルタント・アナリストとして活動

 ネット通販の後払い決済サービスを手がけるネットプロテクションズが、高校生向けのインターンを行った。今後、企業の間で広がる可能性があるという。中高生の採用コンサルタント・谷出正直さんに聞いた。

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 終身雇用・新卒一括採用の枠組みが崩れ、企業も新卒の時点から個人の能力によって給与に差をつけるようになりました。これからの子どもたちには、いつ、どのように就職し、どんな働き方をするのか、自分で決めることが求められるようになります。

 自分で決める力をつけるには、中高生の早い段階から社会や働くことについて考えていく必要があります。インターンはその貴重な機会です。

 中高生のインターンは、従来は学校が企業に依頼し、生徒を受け入れてもらうパターンがほとんどでした。ネットプロテクションズのように企業が一般公募で参加者を集め、選考も実施するのは新しい形です。手間もコストもかかるので、安易にはできませんが、体力のある企業の間ではこうしたインターンが広がる可能性があります。

 なぜなら、学校も介在しないのにインターンシップを見つけて応募してくる中高生は、主体性や感度の面で秀でている可能性が高く、企業にとってそうした若者と接点ができるメリットは大きいからです。興味をもってもらえば大学生になって長期インターンに来てくれるかもしれませんし、優秀な友だちを紹介してくれるかもしれません。他社に就職したり起業したりしたとしても、将来一緒にプロジェクトを組むといった関わり方もできます。

 ただ、企業側には相当な覚悟が必要です。なんとなく受け入れたのではなんとなくの結果しか出ず、自社の評判をかえって下げてしまうリスクもあります。若者の未来のために貢献するという「志」があるかどうかが問われます。

AERA  2019年8月12・19日合併増大号