ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
写真:gettyimages
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 アメリカではどんなに小さな会社でも経営者は尊敬されるのですが、サラリーマンは所詮家来だろ、という扱いになり、まず尊敬されません。当然エリート層の若者の目標は自分の会社を持つこと。

 僕はアメリカで比較的恵まれたサラリーマン人生を歩んでおり、10億円にもなる年収をギブアップして独立する、と言ったときには日本の友人は、おい、なんてもったいないことを!!という反応がほとんどでしたが、アメリカではあらゆる人がcongratulations!! と言うのには少々驚きました。やはりアメリカンスピリットは生きているんです。

 この差にはいろいろな原因があると思います。まず、大分変わってはきたものの終身雇用が主流の日本に対し、アメリカは社内での配置転換は滅多になく、基本的にはその仕事がなくなればクビです。その仕事のプロを集めているわけであって、野球部が閉鎖になったからと言って選手をサッカー部に配置転換しないのと全く同じイメージです。

 そして起業のハードルが全く違う。大学卒業して間もなく起業すると言ってお金を貸してくれる銀行は日本には絶対にありません。アメリカでは貸してくれます。通常1%の金利が3%とか、かなり高利になりますが、貸してはくれるのです。退職後の起業も同様です。私の友人などろくな事業計画書もなく、ただゴルフ経験が豊富というだけでマンハッタンのゴルフショップのオープンに50万ドル(約5400万円)の融資を受け、今では年商10億円程度のいっぱしのオーナーになっています。

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ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

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