証券会社に口座さえ持っていれば、コストが安く、株と同じように買える金ETFは「守りの運用」の選択肢としてアリ
証券会社に口座さえ持っていれば、コストが安く、株と同じように買える金ETFは「守りの運用」の選択肢としてアリ

「通常の投資信託より低コストで中身がシンプル」と、ひそかな人気の「ETF」をご存じだろうか。

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 ETFは日本語では「上場投資信託」といい、株式市場に企業と同じように上場している。市場の取引時間中は値段が動き、自由に売買できる金融商品だ。アエラ増刊『AERAwithMoney毎月3000円で純金投資』では、このETFの中から「金」に投資するものだけを集め、ランキングしている。

 ETFは株と全く同じように株式市場で売買されるため、取引の窓口になるのは証券会社だけ。投信のように銀行や郵便局などでは購入できない。

 2019年7月現在、株式市場には105本のETFがある。中身は日本株、先進国の株、新興国の債券などさまざま。この中で、最近の国内金価格の値上がりをうけて「金のETF」が残高を伸ばしている。

 金に投資するといえば「純金積立」が定番で、田中貴金属などの大手が口座数を伸ばしているが、コストが安く売り買いしやすいETFも見逃せない存在だ。

 1日に1回しか取引価格が提示されない金の現物取引や投信とは違い、取引時間中の9時から15時までリアルタイムで値が動いているので、1日で買いと売りを両方行うことも不可能ではない。売買の際には株と同じように売買手数料がかかるものの、一部ネット証券を使えば1日の約定金額10万円以下なら手数料無料など、コストが非常に安く済むのが大きなメリットだ。

 日々の運用に対する「信託報酬」も年率0.4~0.5%程度。投信以上に格安で金に投資できる。現在、東京証券取引所に上場している金ETFには、三菱UFJ信託銀行が運用する純プラチナ上場信託も入れると全部で6本ある。

 年金ファンドなどプロの機関投資家は、株に資産の何割、債券に何割、そして金に何割といったポートフォリオを組んで、その組み入れ割合に沿った投資で資産運用を行っている。その際、金への投資にはETFを組み入れることが多い。プロも頻繁に取引するETFの場合は取引高も多く、常に売買できるので「買いたいときに買えない、売りたいときに売れないリスク」がほぼない。

 一方、純資産総額が少ない=投資家からあまり人気のない金ETFの中には、取引高が極端に少なく、値動きが大きいため非常に売買しづらい銘柄もある。取引する際は必ず、売買注文の量が表示された「株価ボード」を見て、そのETFが売り買いしやすいかどうかをチェックしよう。

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筋ETFの取引単位は…