竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
ブルーのカップに緑の認証マークが映え、目立つようになりました
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ブルーのカップに緑の認証マークが映え、目立つようになりました

「コンビニ百里の道をゆく」は、49歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 脱プラスチックの施策として、5月20日より関東地方のローソンから順次、アイスコーヒーのSカップを紙素材にしています。容器のフタはプラスチックですが、ストローを使わずに飲めるよう、吸い口をつけました。夏までに、全国に広げていきます。プラスチック使用量は容器1個あたり約8割減り、年間で542.5トン削減されます。

 2018年6月、シンガポールで開かれたコンシューマー・グッズ・フォーラムでプラ削減が大きく取り上げられ、私たちローソンも取り組みを進めてきました。ただ、お客さまのご理解が得られるかが心配でした。特に最近はペットボトルのコーヒーなど、中が見える透明なものが主流です。そのほうがおいしそうで、シズル感もある。

 何度も議論を重ね、2月26日から一部のナチュラルローソンで試験的に紙カップを導入したところ、お客さまから「いいね」と。不安が吹き飛びました。試験時は白色のフタでしたが、「透明のほうがいいのでは」とご意見もいただき、実際に変えてみると、コーヒーが見えて清涼感も増しました。

 カップには、レインフォレスト・アライアンスの認証マークがついています。農園で働く方の生活向上や、環境保全などについての基準を満たした農園からコーヒー豆を仕入れている証しです。紙カップにしたことで以前より目立つ形になり、脱プラとともに、お客さまにこの取り組みをより知っていただくことになったのではと思います。

 地球環境に対するお客さまの考え方は、ますます進んでいると感じています。私たちもローソンで「地球にやさしい」を実現するには何ができるかを考え、たくさんの新しい取り組みを進めていく必要があります。これからもお客さまとコミュニケーションを取りながら、環境問題に向き合っていきます。

AERA 2019年6月24日号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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