ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中
(c)朝日新聞社
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 経済専門家のぐっちーさんが「AERA」で連載する「ここだけの話」をお届けします。モルガン・スタンレーなどを経て、現在は投資会社でM&Aなどを手がけるぐっちーさんが、日々の経済ニュースを鋭く分析します。

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 平成から令和へ。今回のケースを全く違う角度から見るなら、最も旧態依然としてそうな皇室で、率先して世代交代が起きたわけです。新しい陛下はぐっちーより1学年上なんですが、年齢は一緒で、60歳手前。つまりこの年齢でトップになるわけですな。

 しかし、4千社ある日本の上場企業で、60歳より若い経営者がやっているところは何社ありますかね? 下手すると90%ぐらいはそれ以上では。この機会に一般の会社も政治家も、皇室を見習って一気に世代交代、するべきなんじゃないでしょうかね。

 考えてみると当然です。59歳の僕には未来はもう描けもしないし、まして作れないので、過去の記憶で食べるしかない。それを70代でまだ会社の未来を描ける(10年後には無くなる、という未来でも描いているのか……)と思ってる人は神経がどうかしている。図々しいにもほどがあるのではないでしょうか。「自分だけは特別なじいさんだ」と思ってる人が僕の周りにもたくさんいるんですけど、正直、ばかだな~、と思って見ています。

 引退せずに現職にしがみつくのは、ほかにやることがないという理由に尽きると思います。アメリカは比較的引退が早く、それを楽しみにしている人が多いので、しがみつかず逆に逃げる(笑)。もう俺は十分やったからゆっくり趣味の釣りでもやらせてくれよ、というわけですね。どうしてこうも違うんでしょう?

 日本では、週末の高級ランチやディナーでよく見かける風景があります。70歳前後のご夫婦がお食事をなされている。きれいな身なりで、1人5万円はするお料理をもくもくと召し上がっている。もくもくとです。楽しそうに、ではありません。2時間ほど隣で観察していたら、会話は奥様が「これ、おいしいわ~」と言って亭主はふーんと言った、それだけ。これで夫婦ですかね? 老後楽しみましょうって、これじゃ楽しくないでしょう!?

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ぐっちーさん/1960年東京生まれ。モルガン・スタンレーなどを経て、投資会社でM&Aなどを手がける。本連載を加筆・再構成した『ぐっちーさんの政府も日銀も知らない経済復活の条件』が発売中

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