青魚に豊富に含まれる脂肪酸DHAとEPAは、認知機能にも影響する。さらに、調理法で含有量に差が出てくるという。煮る焼く揚げる、どれが正解?
【グラフで見る】血液中のDHA濃度と10年後の認知機能低下のリスクの関係は…
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魚を食べろと言われても、調理はなかなか面倒だ。サプリに頼りたい人もいるだろう。だが、女子栄養大学栄養学部の川端輝江教授はこうアドバイスする。
「サプリより普段の食事から摂取する方が望ましい。DHAやEPAを体内で使うためには、ビタミンやミネラル類も必要なので、野菜と一緒に食べるのがおすすめ。DHAもEPAも酸化しやすく、酸化した油分は体内の老化を促進する恐れがあります。野菜類は酸化を抑制する抗酸化物質のビタミンA、C、Eも含んでいます」
アレルギーで魚を食べられない場合はどうすれば?
「体内でDHAやEPAに変換されるα‐リノレン酸を摂取する方法があります。α‐リノレン酸はエゴマ油やアマニ油に多く含まれています。加熱すると酸化するので、生でドレッシングオイルとして使ってみてください」(川端教授)
脳によいなら、たくさんとりたい。だが、DHAがある程度の量を超えると細胞内の量が一定となることもわかっている。
「1日70~100グラムの魚を食べれば十分です。食べるときは、『刺し身(生)』『煮る』『焼く』のいずれかで」(同)
魚が生の状態でのDHAとEPAの総量を100%とした場合、「煮る」とその総量は10%減少し、「焼く」では15%減少する。注意すべきは揚げ物だ。揚げると、DHAとEPAの総量は半減してしまうことがわかっている(図参照)。
「魚に揚げ油が吸収され、揚げ油にはDHA、EPAが流出してしまう。脂肪酸のバランスが変化し、エネルギー量も高くなります」(同)
重宝するのが缶詰だ。魚のDHA、EPAはあまり失われず残っている。ただし、オイル漬けではなく水煮でどうぞ。今夜のおかずは魚で決まりか。(ライター・羽根田真智)
※AERA 2019年4月29日-2019年5月6日合併号より抜粋