安倍晋三首相は正午すぎ、首相官邸で記者会見し、新元号「令和(れいわ)」について「文化を育み、自然の美しさを愛でることができる平和な日々に心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ちあふれた新しい時代を国民の皆様と共に切り開いていく」と述べた。
また、平成15年に大ヒットしたSMAPの名曲「世界に一つだけの花」について触れたり、政治や社会に大きな変化をもたらした例として「ニコニコ動画」を挙げたことで、Twitterなどネットを中心に、「安倍総理からSMAPの事やニコ動の話が出るとは予想してなかった」「安倍総理の口からニコニコ動画というワードを聞けるとは」などと騒然とした。
首相会見は以下のとおり。
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本日元号を改める政令を閣議決定いたしました。新しい元号は「令和」であります。これは、万葉集にある<初春(しょしゅん)の令月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風和(やわら)ぎ、梅は鏡前(きょうぜん)の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす>、この文言から引用したものであります。そしてこの令和には、人々が美しく心を寄せ合う中で文化が生まれ育つという意味が込められております。万葉集は1200年余り前に編纂された日本最古の歌集であるとともに、天皇や皇族、貴族だけでなく、防人や農民まで幅広い階層の人が詠んだ詩が収められ、我が国の豊かな国民文化と長い伝統を象徴する国書であります。
悠久の歴史と薫り高き文化、四季折々の美しい自然、こうした日本の国柄をしっかりと次の時代へ引き継いでいく。厳しい寒さのあとに春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように一人ひとりの日本人が明日への希望とともにそれぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、その願いを込め、令和に決定いたしました。
文化を育み、自然の美しさを愛でることができる平和な日々に心からの感謝の念を抱きながら、希望に満ちあふれた新しい時代を国民の皆様と共に切り開いていく。新元号の制定にあたりその決意を新たにしております。5月1日に皇太子殿下がご即位されて、その日以降この新しい元号が用いられることになりますが、国民各位のご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。