何をしても賛否両論が巻き起こるメーガン妃(写真:gettyimages)
何をしても賛否両論が巻き起こるメーガン妃(写真:gettyimages)

 度重なる「メーガン流」に王室が対応に追われている。メーガン妃の出産準備や公務のあり方を疑問視する声も少なくない。

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 英王室のメーガン妃(37)に注目が集まったのは2月、米ニューヨークで赤ちゃん誕生前の祭事「ベビーシャワー」を祝い、その費用計約5500万円をセリーナ・ウィリアムズやアマル・クルーニーらが負担したと伝えられたからだ。友人関係にあるとはいえ、著名人からの多額の援助を受けることは、公的な立場にある人間として不見識であり、王室の威厳をも損なうと批判された。さらに「EU離脱で国民が不安な時期にすることか」「ロイヤルと“セレブ”をはき違えている」「人道主義者を名乗りながら高価なブランドを身につけるのは偽善」など、バッシングのボルテージは上がる。米国から帰国直後にハリー王子(34)と向かったモロッコ公式訪問も、2泊3日間で洋服代が計約1500万円と報じられ、火に油を注ぐ結果に。

 妃は身重ながら笑顔を絶やさず、国王と会い、寄宿舎では女子生徒たちとフランス語で話すなど、国際親善にいそしんだ。しかしハリー王子の前を歩いたり王子より先に国王と握手したりする様子に「王子がメーガン妃の召使に見えた」と揶揄(やゆ)され、妃が歓迎のデーツ(ナツメヤシ)を食べなかったのは、「訪問国の文化へのリスペクトが足りない」と非難されている。

 それでも“メーガン流”は揺るがない。4月下旬から5月上旬とみられる第1子出産を控え、改装中のウィンザーのフロッグモア・コテージは、心酔する風水をいたるところに取り入れるほか、保育室はジェンダーにとらわれない白とグレーで色調を統一しているという。
 
 先ごろ、メーガン妃が子育て方針として「ジェンダーフルイド(fluid)」を友人に明かしたという報道があった。これは完全な男性と女性にとらわれない「性別流動性」を持つアイデンティティーとされる。俳優のケイト・ハドソンら、現在のハリウッドで「ジェンダーニュートラル」な育児法を採用するセレブが増えていることが背景にあるようだ。ところが英王室は言下に強く報道を否定した。メーガン妃の一挙手一投足が騒動の種となり、英王室も報道に神経をとがらせざるを得ない状況が透けて見える。

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多賀幹子

多賀幹子

お茶の水女子大学文教育学部卒業。東京都生まれ。企業広報誌の編集長を経てジャーナリストに。女性、教育、王室などをテーマに取材。執筆活動のほか、テレビ出演、講演活動などを行う。著書に『英国女王が伝授する70歳からの品格』『親たちの暴走』など

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