「脂肪には独自の役割があります。体の37兆個の細胞の細胞膜をつくり、副腎皮質ホルモンなどの元になり、脂肪の分解や吸収に必要な胆汁をつくってくれます。体内で不足しがちな脂肪をダイエットのために抜くのは、理にかなっていません」

 なんと……! では、効果的にダイエットするには、どうすればいいんでしょう?

「糖質を取りすぎず、中性脂肪に変えさせないこと。血糖値をコントロールすればよいのです。忙しいビジネスパーソンには、アスリート並みの激しい運動よりも、食事を適切に整えるほうがずっと効率的です」

 健康な人の空腹時の血糖値は80~90mg/dl程度。糖質を摂取すると上昇し、1時間ほどで緩やかに下降する。血糖値が140mg/dl程度を超えるとインスリンが働き、ブドウ糖を蓄え始めるとされる。つまり、食後も血糖値を140以下に抑えることが太らないコツだ。

 そのためには、糖質を取りすぎないこと。糖質より肉や野菜を先に食べるなど、食事の順番に気を配ること。血糖値の急上昇を招く缶コーヒーやジュースなど甘い飲み物、ケーキなどのスイーツ、うどんやそばなどの糖質中心のものは特に警戒すべし、ということだった。

「まずは自分が何を食べると血糖値がどれくらい上がるかを知り、それから血糖値をコントロールしてみてください。ごちそうも宴会もOK、お酒も種類を選べば飲んで大丈夫です」

 ビールや日本酒は血糖値コントロールには不向きだが、ワインや焼酎、ウイスキーは血糖値をむしろ下げるという。

 ごちそうも宴会もOKなんて、まさに夢のダイエット法じゃないか! 我々2人はこの日、血糖値コントロールダイエットを決意した。(編集部・澤志保)

AERA 2019年1月21日号より抜粋