――投資って、どれくらい資金が貯まってからはじめるといいんでしょう。
皆さんには、「使うための口座と貯めるための口座、増やすための口座という3つの口座のイメージを持ってください」と提案しています。月々の支出が30万円だとしたら、その1.5倍の45万円を「使う口座」に入れておく。「貯める口座」には最低の6カ月分のお金をいざというときのために貯めておく。
つまり、30万円が月々の生活費なら、2つの口座で合計225万円以上貯まったところで、3つ目の「増やす口座」にお金を入れて運用をはじめればいいということ。ただ、225万円貯めてからではなかなかはじめられない人も多い。働いていて(定期収入があって)、投資してもリスクの少ない時期に投資しないのはもったいないことです。
なので、収入と支出の差額として毎月3万円残るなら、2万5000円は貯める口座に入れて、残りの5000円は投資に回すといった具合に、なるべく早くはじめましょう。つみたて投資の時間分散効果を最大限に生かすため、少しでも長い期間つみたて続けることが大切です。
――株や債券など資産の配分はどうでしょうか。
30代、40代の方は収益が出にくい債券に投資する必要はないと思います。日本株3割、先進国の株6割、新興国の株1割くらいの割合がオススメです。50代になったら、債券3割、株式7割くらいの割合で安定運用に入ります。
そのときの債券は日本15%、先進国15%、株は日本20%、先進国50%というイメージを持つのもよいでしょう。
――つみたて投資の一番の効用は、家計の見直しスイッチが入ってお金を貯める習慣がつくこと。さらに時間分散の効果で、金融商品の下落をチャンスに変えられることがわかりました。自分の中の投資スイッチをどう入れるかが大事ですね!
(経済ジャーナリスト・安住拓哉、伊藤雅浩)
※アエラ増刊『AERA with Money 毎月5000円でつみたて投資!』の記事に加筆・再構成