ちなみに外国人には「ペヤングやきそば」「愛媛みかん」など日本語の段ボールが人気だそうだ。

 島津さんは毎年「カードボード(段ボール)・オブ・ザ・イヤー」を選んでいる。今年のベストはまだ選定中だが、昨年の3位はミャンマーの段ボール。赤、黄、緑の3色が国旗を表している。ビルマ語のロゴも魅力的だ。2位はアブダビの航空会社のもので、島津さんが好きな飛行機×段ボールのコラボがたまらないそうだ。そして1位はブルガリアの救援物資用段ボール。

「シリアで人道支援をしている団体の段ボールです。ニュースに映っているのを見てからずっと欲しかったんですが、でも、なかなか手に入らない。それが街のなかに落ちていた。だから希少性が高いんです」

 いま一番気になっているのはニュースでよく見る神奈川県警の段ボール。家宅捜索での押収物などに使われるあれだ。

「県警に相談に行ったんですが『あげられない』と。あれは僕が家宅捜索されるときまで手に入らないかも」(笑)

(ライター・中村千晶)

AERA 2018年12月10日号