「娘の学校では、靴下は『高校生らしい黒か紺』と決められています。でも友人の子が通う学校は『高校生らしい白』」

 いったい「高校生らしい」って何なんだろうか。この女性は、正直、黒でよかったと思っている。白の靴下は汚れが目立って洗うのが大変だと友人はぼやく。親にとっては、洗濯しやすいという“機能性”のほうがよほど重要なのだ。

 親たちの反発が大きかったのは、子どもの危険につながる決まりだ。小1と中1の子どもを持つ都内の女性(44)は指摘する。

「うちの子の小学校では、登校した児童が、開門まで中に入れず、校門前の道路にたまっている。年々開門時間が遅くなる傾向。学校の前はスクールゾーンとはいえ、危険だと思う」

 アンケートでは、「一斉」や「一律」を重視する校則への疑問や不満も多く集まった。親たちが憤るのは、それらが子どもの健康も害するからだ。

 ある中学校は「寒くなっても衣替えの日までは夏服のままで、上着などはいっさい着用不可」だ。「氷点下の教室でもひざ掛け使用禁止」というガマン大会のような校則もあった。

 反対に、「暑くても、指定された日が来るまで水筒を持参してはいけない」や、「学校が決めた帽子がないので、暑い日も帽子をかぶってはいけない」なども。熱中症になりかねない。

 アンケートで集まったヘンな校則や決まり。それらは「本当に子どものためか」を考えねばならない。(ライター・松田慶子)

※AERA 2018年12月10日号