世界一獲った「イチローズモルト」肥土社長が語る名声の秘密 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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世界一獲った「イチローズモルト」肥土社長が語る名声の秘密

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熊澤志保,上栗崇AERA#グルメ

ベンチャーウイスキー/世界的な評価を受ける「イチローズモルト」の原酒が眠る。蒸溜所が手狭なため見学や小売りには対応していない(撮影/鈴木愛子)

ベンチャーウイスキー/世界的な評価を受ける「イチローズモルト」の原酒が眠る。蒸溜所が手狭なため見学や小売りには対応していない(撮影/鈴木愛子)

「香り高く味わい深い秩父産のワインを広めていければと思っています」(深田さん)

 橋立鍾乳洞の近くの「そば道場あらかわ亭」では、蕎麦打ち体験ができる。ガイドの西脇真知子さんは荒川村の出身。米はとれない痩せた土地で年に2回収穫できる蕎麦は貴重だった。

「荒川の近辺では、蕎麦は家庭料理。年配の人はみんな打てますよ」(西脇さん)

 家庭によって蕎麦の打ち方は異なり、あらかわ亭でもガイドにより違う。「そんな違いも楽しんでほしい」(同)

 秩父産の蕎麦粉を使ったガレットが人気のカフェ、PNB-1253は、アートギャラリーも併せ持ち、店主の保坂彩樹さんをはじめアーティストの作品が店内を彩る。訪れる人にリラックスして時を過ごしてほしいと10年前に立ち上げた。窓の向こうではヤギが草を食む。静かな時間が流れる場所だ。

 全国6カ所しかない氷室の一つ、明治23年創業の阿左美冷蔵は、池に張った天然氷を切り出し、かき氷を提供する。6代目の阿左美幸成さんは言う。

「雑味のないまろやかな氷。長い時間をかけて凍っていくので、『秩父の味』がするのでは」

 盛夏は店の前に長蛇の列ができる。阿左美さんが次々に生み出す自家製の蜜も人気の秘密。ゆっくり氷を楽しんでもらえるよう、庭にも趣向を凝らす。

 いまや秩父名物となった「わらじかつ」は、「祖母が名付け親です」と安田屋日野田店の小杉哲夫さんは語る。歩き詰めの旅人が2枚注文した様子が、わらじを思わせたのが由来。商標登録もしているが、「秩父に貢献できれば」と、他店に文句を言うつもりはないという。

 開店すると同時に行列ができる豚みそ丼の超人気店「野さか」。店主の坂本岳秀さんが、お土産として人気の豚の味噌漬けを食事でも、と生み出した。味噌の調合やたれの研究など、開発に5年を費やした。

「豚の味噌漬けを使った新商品を企画中です」(坂本さん)

 ヒットしても探求をやめないのは、秩父気質ともいうべきものだろうか。


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