ANAも採用する「パラスポーツ研修」 コミュ力UPに一役 (2/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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ANAも採用する「パラスポーツ研修」 コミュ力UPに一役

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深澤友紀AERA
ブラインドサッカー/日本ブラインドサッカー協会が開発した企業型研修。日本代表の寺西一さんのドリブルを間近で見た参加者は「スピードも正確性もすごい」(撮影/写真部・小山幸佑)

ブラインドサッカー/日本ブラインドサッカー協会が開発した企業型研修。日本代表の寺西一さんのドリブルを間近で見た参加者は「スピードも正確性もすごい」(撮影/写真部・小山幸佑)

ブラインドサッカーの研修。声だけで伝えるがうまくいかず笑いも起きた(撮影/写真部・小山幸佑)

ブラインドサッカーの研修。声だけで伝えるがうまくいかず笑いも起きた(撮影/写真部・小山幸佑)

ブラインドサッカーの研修。声だけで伝えるがうまくいかず笑いも起きた(撮影/写真部・小山幸佑)

ブラインドサッカーの研修。声だけで伝えるがうまくいかず笑いも起きた(撮影/写真部・小山幸佑)

ボールは転がると音が出る(撮影/写真部・小山幸佑)

ボールは転がると音が出る(撮影/写真部・小山幸佑)

研修後には「相手の立場に立って伝える」「積極的に声かけする」と“宣言”する参加者が目立った(撮影/写真部・小山幸佑)

研修後には「相手の立場に立って伝える」「積極的に声かけする」と“宣言”する参加者が目立った(撮影/写真部・小山幸佑)

 昼休みや終業後に「ボッチャ部」が活動する企業や、「マイボール」を購入した会社員も。大会後は「ボッチャロス」に陥る人もいるほどだ。

 トヨタ自動車オリンピック・パラリンピック部の名畑徹さん(39)は言う。

「五輪・パラリンピックが東京だけ、スポンサー企業だけのものにならないよう、盛り上がりの輪を広げていきたい」

健常者と障害者が一緒に楽しめるスポーツはほかにもある。

「シッティングバレーはお尻を床につければ、障害者も健常者も関係ない。国内で約1千人いるプレーヤーのうち、7割が健常者ですよ」と語るのは、シッティングバレー女子日本代表監督の真野嘉久さん(53)だ。

 車いす競技のように、車いす操作によるレベルの差もなく、高価な道具も必要ない。一部の大会は健常者のみで出場できるし、日本選手権もチーム内に障害者が1人以上在籍していれば出場できる。

 野村ホールディングスは、日本代表として北京、ロンドン・パラリンピックに出場した金木絵美さん(36)が支店に勤めていたこともあり、3年前からシッティングバレーボールの支援を始めた。体験会や観戦を積み重ねる中、チームをつくって大会にも出場するようになると、自ら楽しむ社員が一気に増えた。同社コーポレート・シティズンシップ推進室室長の藤澤由紀さんは言う。

「社員から『こんなにスピード感があり楽しい競技とは知らなかった』という感想などもあり、体験会の参加者は増えています」

 真野さんはこう話す。

「パラスポーツは小さなお子さんからおじいちゃんまで誰もが一緒に楽しめます。障害者スポーツより『一生涯スポーツ』と呼ぶのがふさわしいと思います」

 東京パラリンピックに向けて、障害者スポーツの愛好者が増えることは多くの障害者プレーヤーや競技関係者も歓迎している。障害者の競技人口は、交通事故の減少などで近年減っていて、健常者にもプレーヤーの裾野が広がれば、競技力向上も期待できる。

 だが、「障害の有無にかかわらず楽しめるスポーツ」と単純に言ってしまえるのだろうか。そんな疑問に答える研究がある。

 08年に日本車いすバスケットボール連盟加盟チームの選手に向けた調査(回答者313人)では、89.6%が健常者プレーヤーと対戦・プレーしたいと回答。一方で、35.1%が健常者プレーヤーの存在によって自分の障害を意識させられると答えた。調査を実施した同志社大学の河西正博助教は言う。

「障害者プレーヤーは健常者と一緒にプレーしたいと思いながらも、ときに健常者の存在によって自分が障害者であると意識させられ、葛藤を抱いていることも明らかになりました」

 そうした障害者の視点を知ることも大切かもしれない。

 日本ブラインドサッカー協会では、ただ競技を楽しんでもらうだけでなく、目の見えない環境に置かれることでコミュニケーションの大切さを学べる企業向けの研修を開発した。

「ブラサカ」の愛称で親しまれる視覚障害者の5人制サッカーは、ゴールキーパーは目が見える人や弱視の人が担当し、ほかの4人は条件を同じにするためにアイマスクを装着する。


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