「魔女の宅急便」原作者、「不安な気持ちを抱えた孤独な子ども」だった過去 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

「魔女の宅急便」原作者、「不安な気持ちを抱えた孤独な子ども」だった過去

このエントリーをはてなブックマークに追加
矢内裕子AERA

 児童文学作家の角野栄子さんがAERAの表紙に登場した。「魔女の宅急便」の原作者でもある角野さんが、自身の幼少期や、物語への思いなどを明かした。

 今年、日本人として3人目となる、国際アンデルセン賞作家賞を受賞した角野栄子さん。ジブリ映画「魔女の宅急便」の原作者といえば、知らない人はいないだろう。

 銀髪にカラフルな色のメガネ。そしてワンピース。角野さんの定番スタイルだ。

「髪が白くなるにつれて、身につけるものが自然に鮮やかな色になってきました。ワンピースはいつもお願いしている方がいて、気に入った布を見つけると、同じデザインで仕立ててもらっています」

 形が同じなので、案外、手頃なお値段なのだそう。

「5歳の時に母を亡くした私は、不安な気持ちを抱えた孤独な子どもでした。大好きだったのは、父が読んでくれる子どもの本やお話。父は自分で変な言葉を作るのも得意な人でした」

 幼い頃の自分を慰め、勇気づけた物語の世界と言葉を、今も角野さんは大切にしている。

「読書の素晴らしさは、読む楽しさはもとより、自分の身体のなかに一生使える自分の言葉の辞書が出来ていくこと。使える豊富な言葉を持てば、表現が豊かになるし、その人の世界も広がっていくと思います」

 最近、気になるのは作品のテーマや意図を聞かれること。

「たとえば平和について考えていたとしても、それをそのまま書きたくはない。面白い物語を通じて、読者が受け取ってくれるものがあるといいな、と思っています」

 今、角野さんは毎月のように、鎌倉文学館で子どもたちに読み聞かせをしている。

「仕事をしていると、誰とも話さない時もあるので、自分からやりたいとお願いしました。子どもたちと過ごすのは楽しい。元気になりますね」

 不安を抱えていた女の子は言葉と共にたくましく育って、豊かな物語の世界で暮らしているようだ。(ライター・矢内裕子)

AERA 2018年7月23日号


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい