竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
店舗の復旧進め必要な物を被災地へ(※写真はイメージ)
店舗の復旧進め必要な物を被災地へ(※写真はイメージ)

「コンビニ百里の道をゆく」は、48歳のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 西日本を中心とした記録的な豪雨が、甚大な被害を及ぼしています。被害にあわれた方々に心よりお見舞い申し上げます。ローソングループは、被災者の方々のお力になれるよう、全社を挙げて支援して参ります。

 まず、被災した店舗のオーナーさんやクルーの皆さんの安否確認をした上で、浸水したり避難指示等が出たりした店舗は休業してもらい、安全第一を徹底しています。安全確認ができた店舗は、商品を確保すべく、他エリアを巻き込んで物流の立て直しを図っています。コンビニに商品がない状態は、被災者の方々の更なる不安の増大につながります。一日でも早くお店に商品を供給し、人が集まれる「場」となり、マチのインフラとして日常の生活をお届けしたい。そのため通常の物流とは違うルートで配送をしたり、他地域や本社の社員を被災地に派遣したりして、お店の復旧を進めています。

 自治体と連携し、救援物資の輸送も始めています。7日には岡山県総社市におにぎりを9900個、8日は同県倉敷市にお弁当3100個とおにぎり6890個、10日には愛媛県のJAえひめ中央伊予選果場にカップ麺5千個をお送りしました。

 被災地ごと、段階ごとにニーズも異なってきます。避難生活が長期化するなか、当初の食料品からタオル、ウェットティッシュ、肌着や虫よけスプレーなど具体的な要請も頂いています。優先度の高い必需品を迅速に届けるべく、全国市長会の方々と連携し、今必要な物は何か、不足しそうな物は、など情報を共有しています。私も9日に岡山県に入り、状況を把握すると同時に、地元の方に何が必要かヒアリングしてきました。エリア担当や本社とも共有し、救援活動に生かしています。

 大災害時には、各店舗への対応と避難所への対応を同時に行うことがとても重要です。状況はまだ予断を許しません。「できることはすべてやる」という心構えで、支援を続けて参ります。

AERA 2018年7月23日号

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竹増貞信

竹増貞信

竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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