「気軽に意見を言える雰囲気をつくってくれるので仕事がしやすい。フリーランスと企業は、お互いの幸せを願える関係でないと、どちらかが弱い立場になってしまう。対等な関係でいるために、私も釣り合うように努力しようと思えます」
社員側の意識改革にも取り組んだ。当初、社員の中には「フリーランス=言うことを聞いてくれる人」という意識を持ち、「今日中にやれますよね?」と無理な納期を押し付けたりする人も。管さんはこうした「下請け扱い」を見つけ次第、厳しく指導するようにした。
さらに、フリーランスが悩みがちなのが「スキルアップの場が少ないこと」。管さんは、月1で開く外部デザイナーなどを無料で招待する飲み会で、参加者から「やったことがないけれど、こんな仕事をしてみたい」という希望を聞くと、「こんな案件があるからチャレンジしてみる?」と声をかけ、未経験でも挑戦できる機会を提供するようにした。
アウトソーシングを積極化して3年目。17年度の業績は2年で約5倍になり、離職率も38%から0%に大幅に減った。
「社内で『その業務、アウトソースできるよね』と頻繁に話すようになりました。自分たちだからこそできる仕事に集中し、本業を磨こうと考える癖がついたことが大きいですね」(管さん)
(編集部・市岡ひかり)
AERA 2018年7月2日号より抜粋