それでも取り組みが各地に広がっているのは、屋外に飛び出すという手法が、目に見える「働き方改革」につながっているからだ。特にオフィスビルを運営する会社にとっては、入居企業に新しい働き方をアピールし、ビルの人気を高める効果が期待できる。

 NTT都市開発品川シーズンテラス総合管理事務所担当課長の内山武士さんは、「アウトドアオフィスでビルにいる人々が快適に働けるようになれば、ビルの価値も上がるはず。シーズンテラス以外のビルでも企画したい」と話す。

 スノーピークビジネスソリューションズの村瀬さんは語る。

「アウトドアオフィスは短期的に生産性が上がったり、効率よく作業ができたりする場ではありません。5年後、10年後を“想像”し、新しいものを“創造”するために発想を転換する。そのきっかけになる場所なのです」

(編集部・川口穣)

AERA 2018年6月11日号より抜粋

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川口穣

川口穣

ノンフィクションライター、AERA記者。著書『防災アプリ特務機関NERV 最強の災害情報インフラをつくったホワイトハッカーの10年』(平凡社)で第21回新潮ドキュメント賞候補。宮城県石巻市の災害公営住宅向け無料情報紙「石巻復興きずな新聞」副編集長も務める。

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