ひとり40万円の宿泊型客船も 瀬戸内で起こる現場主導の観光マーケティングとは

2018/02/20 16:00

「空き家対策になるんじゃないかと考えて始めました」

 空き家の持ち主は都会に住んでいて年に2、3回帰ってくるという人がほとんど。でも空き家は手放したくない。

「家賃を払い、持ち主には宿としていつでも帰ってこられる仕組みを整えることで需要と供給ができました」(大西さん)

 観光地が外国人にしっかりと認知されるようになるには、長い年月を要する。

 高松空港から車で約2時間、秘境であるにもかかわらず、外国人が続々と訪れている徳島の祖谷(いや)では、10年かかったという。祖谷のある三好市内のホテル5軒の合計宿泊者数をみると、現在は年間で約1万9千人宿泊しており、10年前の34倍になったという。市の人口にも近づいてきた。ホテルなども市や県と協力して祖谷の魅力をPRし続けた成果でもある。このエリアの宿の代表である「大歩危・祖谷いってみる会」会長の植田佳宏さん(53)はこう言う。

「行政は担当者が定期的に異動するので限界があります。でも私たちは変わらない。だから現場にいる私たちが、どこの国向けにどう売るかといった戦略を考えるんです」

 海外でのプレゼンテーションも買って出る。外国人観光客が増えることでタクシー会社や町の商店が潤った。祖谷に住む小中学生が絵を描いて説明したりと、外国人観光客のツアーガイドを行った。

 観光業だけが儲かる仕組みではなく、地域に還元する仕組みをつくりたいという。(編集部・柳堀栄子、ライター・守田直樹)

AERA 2018年2月19日号より抜粋

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