三江線「天空の駅」も3月で見納め 「父祖3代悲願の路線」の足跡たどる (1/3) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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三江線「天空の駅」も3月で見納め 「父祖3代悲願の路線」の足跡たどる

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福井洋平AERA#鉄道
江津~江津本町間の江津市(島根県)街を走る三江線のキハ120。この部分は戦前に開通している区間で歴史も古い(撮影/今祥雄)

江津~江津本町間の江津市(島根県)街を走る三江線のキハ120。この部分は戦前に開通している区間で歴史も古い(撮影/今祥雄)

 約80年間の陳情を経て、悲願の全通を果たした108.1キロの鉄路。地元の思いを乗せ、谷をまっすぐに突っ切る鉄路の駅に、乗客は今やほとんどいない。すべての人に開かれた公共交通機関は、その役割を評価されないまま、43年で命脈を閉じる。

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 広島空港から車で約2時間。高速道を降り数十分走り続けて視界が開けた先、田んぼの向こうにJR西日本・三江(さんこう)線の宇都井(うづい)駅(島根県邑南(おおなん)町)が姿を現した。地上20メートルにホームがある。通称「天空の駅」だ。

 ここに来る列車は1日、上下合わせて8本のみ。午前11時過ぎから午後5時まで一本の列車も来ない。雄大な駅とギャップのある秘境感が旅情をくすぐるのか、ホームに併設された待合室の一角にはノートが置かれ、日本全国から「天空の駅」を訪れた感想がつづられている。20年近くノートを管理しているのは地元在住の松島喜久恵さん。

「宇都井駅ができる時は、大工さんのお手伝いで材料を担ぎに通ったりしたものです。鉄道ができて、町に出るのは本当に便利になりました」

 今も月に数回、電動カートで15分ほどかけて駅に行く。列車を利用して、近くの温泉にも足を運ぶ。


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