一つ目は「聞こえる選挙」。視覚障害のある人たちが選挙に参加しにくいという課題を解決するため、昨年の東京都議会議員選挙から始めたウェブサイトです。視覚障害者の多くは日頃、画面読み上げソフトを使い、インターネットの情報を音声で聞いています。でも、選挙公報はPDFファイルで掲載されるので、読み上げソフトでは対応できない。そこで選挙公報を音声で読み上げて「聞こえる」ようにしたのです。

 障害者や高齢者がネット上の情報にアクセスしやすくなる方法を日頃から考えている部門の社員と、マーケティング戦略を考えるのが本業の社員とのタッグで実現したもので、社会貢献部門の発案ではありません。

 二つ目は「Yahoo!ネット募金」。被災地の復興や貧困、ペットの殺処分などさまざまな課題に取り組む非営利団体が、寄付を集めやすくするためのプラットフォームです。

 われわれは「Yahoo!基金」という任意団体を通じて独自の助成もしていますが、それだけでは社会に与えるインパクトが限られてしまう。より多くの団体がネットを通じて寄付を集められるような環境が必要だと考えました。

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