避難訓練の様子(撮影/澤田晃宏)
避難訓練の様子(撮影/澤田晃宏)
避難訓練の様子(撮影/澤田晃宏)
避難訓練の様子(撮影/澤田晃宏)
避難会場には抗議団体の姿も(撮影/澤田晃宏)
避難会場には抗議団体の姿も(撮影/澤田晃宏)

 小雪舞い散る1月22日朝、弾道ミサイルを想定した国と東京都などが主催する都内初の住民避難訓練があった。国と自治体などが主体の弾道ミサイルの避難訓練はこれで27回目。

【避難会場には抗議団体の姿も】

 避難訓練の場所は、東京都文京区の地下鉄の春日駅、後楽園駅の周辺エリア。周りには東京ドームや文京区役所が入る文京シビックセンターがある。開始1時間前に現場に到着すると、すでに後楽園駅に隣接する礫川(れきせん)公園はコーンで一部が訓練場所として仕切られていた。その横を通勤客が足早に過ぎ去っていく。訓練開始30分ほど前になると、「訓練」と書かれたゼッケンをつけた地元住民が集まってきた。東京都総務局総合防災部の担当者はこう話す。

「参加する住民は地元の町内会や企業に協力を求め、あらかじめ決めており、一般の方と区別ができるようにゼッケンをつけてもらいます。ゼッケンは250程度準備し、当日は携帯の緊急速報が鳴らないため、訓練用の携帯を約70台準備して参加者の一部に持参いただき、そこに緊急速報を模したメッセージを送りました」

 避難訓練開始予定の午前10時から3分ほど経った頃、文京シビックセンターの防災無線からアナウンスが始まり、Jアラートのサイレン音が鳴った。記者は防災無線から100メートルも離れない場所にいたが、サイレン音は確認できたものの、アナウンスの内容を明瞭に聞きとることはできなかった。

 防災無線のアナウンスとともに、住民は避難を開始。礫川公園ではコーンの中に集まった約30人の住民が、仕切られた通路を通り、歩いて10秒ほどの地下駐輪場入り口から順々に降りていく。全員が地下駐輪場への避難が完了したのは、記者の手元の時計で防災無線のアナウンスから約4分後だった。地下駐輪場への避難が完了すると、報道陣を前に一人の住人の呼びかけで全ての住人が頭を手で覆い、座り込んだ。報道陣のシャッター音が鳴りやむと、呼びかけた住人が立ち上がり、

「サービスカットです」

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内閣官房の担当者が語った避難訓練の目的とは