竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長
竹増貞信「24時間営業を続ける理由をお話しします」<コンビニ百里の道をゆく> (※写真はイメージ)
竹増貞信「24時間営業を続ける理由をお話しします」<コンビニ百里の道をゆく> (※写真はイメージ)

「コンビニ百里の道をゆく」は、40代のローソン社長、竹増貞信さんの連載です。経営者のあり方やコンビニの今後について模索する日々をつづります。

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 マスコミなどで、一部コンビニの24時間営業見直しが話題になっています。ローソンは?と聞かれることもあるので、今回、きちんとお話ししたいと思います。

 結論から言えば、24時間営業を続けたいと考えています。理由は主に二つです。

 まずは定量的な理由。ローソンでは10年以上前に、一部地域で時短営業の実証実験を行いました。結果は、「時短営業をすると24時間営業をしているときより、朝、昼の売り上げが減る」というものでした。時短営業になったことでその店舗はお客さまに選ばれなくなったのです。

 オーナーのみなさんから「夜も開けさせてほしい」という声が上がり、24時間営業に戻しました。いまは各地域での競合関係が以前とは比較にならないほど激化しているので、影響はより大きいでしょう。

 もう一つは定性的な面。コンビニに求められる役割はますます大きくなっています。災害発生時はもちろん日常的にも、認知症の方の保護、お子さまの見守り、青少年への目配りからATM、行政サービス代行まで、24時間営業していることが、安心感につながっていると考えています。

 つまり、ローソンは地域の生活インフラ。深夜もずっと灯をともしていることが大切なのです。

 では、人手不足が厳しくなる中で24時間営業をどう持続させていくか。テクノロジーをフル活用することで、店舗の生産性を革新的に高める必要があります。

 深夜は物流が激しく動くので、クルーのみなさんはその対応や整理整頓を優先し、自動レジやスマホアプリ決済などを導入して、深夜帯にはお客さまに「セルフレジ」を提供するということが一つの解になるはずだと考えます。

 そこで、以前から検討してきた深夜帯のレジの無人化の実証実験を来年春、首都圏の2、3店舗で始めることを決めました。

 今後も全国のマチに安心の灯をともし続けたいと思っています。

AERA 2017年12月18日号

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竹増貞信

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竹増貞信(たけます・さだのぶ)/1969年、大阪府生まれ。大阪大学経済学部卒業後、三菱商事に入社。2014年にローソン副社長に就任。16年6月から代表取締役社長

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