もちろん、多くの企業はすでに動き始めています。

「紙のクーポン」と「ネットで配るクーポン」がある。どのような順序で送ると、より効果的か。デジタル時代だからこそ、むしろリアル(紙)の価値が高まるだろう──ある会社ではそんな仮説を立て、検証を進めています。

 もっとも、「4.0」でも解説されない「宿題」が残っています。デジタル時代に新たな価値をどのように創造するのか。すなわち商品開発です。企業が顧客に情報を伝え、訴える手法は述べています。しかし、

「そもそも何をつくるのか」

「デジタル時代に、ものづくりはどう変わったのか」

 これらの問いに対する答えは、十分ではありません。

 次の理論「5.0」を展望するなら、「デジタル時代の価値創造」がひとつの可能性でしょう。あるいは「AI時代のマーケティング」かもしれません。期待しましょう。

AERA 2017年12月11日号