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東京五輪はハッカーの“自己顕示欲”刺激? リオが狙われなかった意外な理由

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北島圭AERA

写真=情報通信研究機構(NICT)提供

写真=情報通信研究機構(NICT)提供

観測でとらえた国内へのサイバー攻撃(AERA 2017年12月11日号より)

観測でとらえた国内へのサイバー攻撃(AERA 2017年12月11日号より)

 何が標的か。予断を許さないが、五輪では映像中継が最もお金の動く領域。世界中の人々が注目する映像サービスが標的になる可能性もある。この点では専門家も「今までも守りきれたのだから、東京五輪も守りきれるはずだ」という見方の一方で、首肯しながら「スパイ天国で、しっかりした情報機関を持たない日本では、場当たり的な対処になり、何が起きているのかわからない状態になる」と憂慮する見方もある。また、本当のテロは警戒が厳重な五輪のシステムは狙わず「警戒が薄くなっているシステムを狙う」と指摘する専門家もいる。つまり期間中に騒動を起こせば、効果は同じというのがその理由だ。

 さらに20年になると、ウェアラブル端末やIoTが普及し、電力やガス、水道などのインフラシステムにもITが組み込まれるようになるため、テロリストがこうした施設を狙うことも十分あり得る。専門家の間でも認識が分かれてはいるが、激しいサイバー攻撃が波状的に来襲するという点では共通する。

 こうした状況を食い止めようと、産学官あげてセキュリティーの高度化に努めているが、いわゆる“いたちごっこ”で、サイバー攻撃を撲滅するには程遠いのが現状だ。仕方のない面もある。というのもネットなどサイバー空間における攻める側と守る側の力関係は、攻める側のほうが圧倒的に優位なのだ。


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