──旅を経て気づいたことは。

ナオト:アフリカや海外の人の日常に触れて、人生はquality of life、人生をどう謳歌するかだと感じました。日本だと仕事が目的になってしまうこともあるけど、何のために仕事をするのか、その先にある幸せのイメージを描くことって大切。

 自分の場合は「音楽はまじめに作らないと」って思っていた。実際に頭で考えて作っていたものもありました。帰国後は「どうやったら人生面白くできるか」を考えるようになったかな。そうすると音楽の作り方も変わりました。今は海外の人と数人で「せーの!」って同時に音楽をつくる「co-write」をしています。アイデアがゼロの状態から始めて、2日くらいで曲も詞もできちゃう。これは今までなかったことだったんだけど、旅の最後の米国LAではスタンダードでしたね。

──映画の中のナオトさんと一緒に旅をしている感覚になりました。見る人へのメッセージはありますか。

ナオト:アフリカには行く機会は少ないと思うんで、音楽や人の素晴らしさはもちろん、奴隷の歴史も含めて、伝わったらいいなと思います。

 旅の中で、巡ってきたチャンスを掴んだ瞬間がありました。チャンスは巡ってこないかもしれないけど、その時のために準備しておくこと、「アイムレディー」でいることは教訓になりましたね。「旅歌ダイアリー」はひとまず終わったけど、これからも音楽の旅は続きます!

(構成/編集部・小野ヒデコ)

AERA 2017年11月27日号