インスタグラムは今年10月2日、日本政府観光局と協力して、「#unknownJapan(知られざる日本)」キャンペーンを開始。これはインスタグラムに投稿された写真や動画を通して、さまざまな「知られざる日本」の魅力を世界に発信してもらおうというもの。日本政府が掲げる「20年に訪日外国人旅行者4千万人、観光消費額8兆円」の目標をサポートする取り組みだ。

「今年だけでも日本に旅行した外国人観光客のうち300万人がインスタグラムを使い、2千万件の写真や動画がこれまでに投稿されています。それを見た家族や友人の多くは『いつか自分も日本に行ってみよう』と感じてくれるでしょう。インスタグラムは旅のインスピレーションを得るツールになっているのです」とウェイルさんは話す。

「寺は人々の『善意と誠の心』が集まる場所です。そして写真を撮る時、人は誰もが笑顔になる。インスタグラムと寺の親和性が高いのは、ある意味当然かもしれません。宗旨宗派にこだわらずに、清水寺は仏教に対する『入り口』としてのお寺であり続けたいと考えています。インスタグラムもその入り口の一つです。写真を見たことがきっかけで、清水寺だけでなく、近所の寺社仏閣にお参りしてみようかと思ってもらえたら嬉しいですね」(大西さん)

(ライター・大越裕)

AERA 2017年11月20日号