江戸時代に再建された清水寺の子安塔をバックにウェイルさんは大西さんと自撮りで記念撮影。境内はレンタル着物をまとった大勢の外国人観光客で賑わう(撮影/写真部・岸本絢)
江戸時代に再建された清水寺の子安塔をバックにウェイルさんは大西さんと自撮りで記念撮影。境内はレンタル着物をまとった大勢の外国人観光客で賑わう(撮影/写真部・岸本絢)

 日本を代表する観光地であり、ユネスコの世界文化遺産にも登録されている清水寺(京都市東山区)。創建から1200年以上の歴史を持つ同寺が、2014年9月から始めたSNSの「インスタグラム」が国内外で人気を集めている。

 インスタといえば、オシャレなファッションや華麗なライフスタイルを芸能人やモデルが投稿するイメージが強い。「なぜ京都の寺がインスタグラム?」

 開設を主導した同寺の僧侶・大西英玄さん(39)に尋ねた。

 大西さんは大学時代、産業心理学の授業で広告について学び、卒業後はアメリカに語学留学、同国の先進的なネットカルチャーに触れた。帰国後、清水寺の僧侶となってから寺のウェブサイトの運営を任され、特設サイトの開設などさまざまな試みに取り組んできた。

「1200年間、寺が続いてきた背景には、同じことの繰り返しではなく、革新の連続があったはずです。インスタグラムの開設も、今の時代に求められる清水寺のかたちとは何かを考える中で出てきたアイデアでした。清水寺を訪れる外国人観光客も年々増えており、言葉を使わずにビジュアルで寺の『今』を伝えるメディアとして、インスタグラムはぴったりだったのです」(大西さん)

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