UZUZの断捨離MTG。「これは必要だから残すべき」など率直にみんなが意見を出し合う(編集部/高橋有紀)
UZUZの断捨離MTG。「これは必要だから残すべき」など率直にみんなが意見を出し合う(編集部/高橋有紀)

 始業時間も就業時間もなく働きづめで、オフィスの床に寝袋でゴロ寝。ベンチャー企業には、こんなイメージが付きまとう。それも今は昔。「働き方改革」をボトムアップで実現していた。

 大企業ではなかなか進まない働き方改革。制度をつくるのではなく不要なものは捨てていくのが、フットワークの軽いベンチャー企業の得意なやり方だ。彼らは何を捨て、何を得たのか。

【UZUZ】
2012年設立/社員35人/若手人材に特化した人材紹介事業
無礼講で断捨離 有休消化率が倍に

 第二新卒・既卒・フリーターに特化した人材紹介サービスのUZUZ(ウズウズ)は、四半期に一度、「断捨離MTG(ミーティング)」なるものを開催している。

 その名の通り、業務や会社のムダを「断捨離」するためのミーティング。取材した日は、営業からバックオフィスまで、各部署から8人が参加していた。

 事前に全社員35人が「嫌なこと」「無駄なこと」を申告。それらを書き込んだ付箋が貼られたホワイトボードを囲み、集まった8人で「何をやめるか」「どうしたら効率化できるか」を話し合う。この日挙がった「嫌なこと」の一例は、「電話ヒアリング中の大きな話し声」。

「確かにこれはカスタマーサポート(CS)の業務に支障をきたすよね」

「遠くの人に話しかけるとき、島を挟んで話すのもうるさい。近くまで歩いていって話そう」

「あ、それ俺だわ」

「盛り上がっている人たちは気づかないから、気づいた周りの人がトーンダウンするように言ってあげるのがいいよね」

「気づきやすいのはCSの隣の席? じゃあ、水野さんがCSに気を使う大臣ってことで」

 貼り出したすべてに改善策を用意する。必要なら、「担当大臣」も決める。この日は27の「嫌なこと」「無駄なこと」を断捨離した。

 過去には、「有休取るのが申し訳ないという気遣い」をやめて、有休消化率が43%から82%に向上した。「朝礼で一からすべてを共有すること」をやめ、事前にチャットワークで情報を共有することにした結果、疑問の解消だけが朝礼の議題になって、所要時間が40分から15分に。

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