エリザベス女王の公務減少でウィリアム王子が動いた 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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エリザベス女王の公務減少でウィリアム王子が動いた

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多賀幹子AERA
ダイアナ元皇太子妃の没後20年、ウィンザー朝100周年を迎え、スムーズな世代交代は進むか(※写真はイメージ)

ダイアナ元皇太子妃の没後20年、ウィンザー朝100周年を迎え、スムーズな世代交代は進むか(※写真はイメージ)

ジョージ王子は、真新しい制服に身を包み、ウィリアム王子(左)、初等部担当教諭(右)に手を引かれて初登校。初めは緊張気味だったが、やがて級友たちと打ち解けたという。キャサリン妃は重いつわりで同行できなかった(写真:gettyimages)

ジョージ王子は、真新しい制服に身を包み、ウィリアム王子(左)、初等部担当教諭(右)に手を引かれて初登校。初めは緊張気味だったが、やがて級友たちと打ち解けたという。キャサリン妃は重いつわりで同行できなかった(写真:gettyimages)

 英国の王室のメンバーそれぞれに大きな転機が訪れている。ダイアナ元皇太子妃の没後20年、ウィンザー朝100周年を迎え、スムーズな世代交代は進むか。

【写真】ウィリアム王子に手を引かれ、初登校するジョージ王子

 エリザベス女王(91)は、昨年90歳を迎えたのを機にテニスのウィンブルドン選手権の運営団体など25団体の名誉職から引退した。なおも600以上の組織や団体を後援するが、外国訪問は目に見えて減少した。昨年末には風邪をこじらせ恒例のクリスマス礼拝を欠席。回復までに1カ月以上かかっている。

 また、夫のエディンバラ公フィリップ殿下(96)も、8月2日にバッキンガム宮殿前での海兵隊のパレード臨席を最後に、単独公務から引退した。殿下は、1953年から海兵隊の儀礼上の役職である元帥を務めてきた。52年の女王の即位以来、単独公務は2万2千回以上を数える。長年の国への貢献に国民から賛辞と感謝の言葉が寄せられた。

●ウィリアム王子の覚悟

 2人の引退で空いたポストは、子どもや孫たちを中心に王室メンバーが分担して継いでいく。動いたのは、ウィリアム王子(35)だった。救急ヘリコプター操縦士として2年以上勤務した民間会社を7月末に退職。気に入っていた仕事から潔く身を引いたのは、王子の並々ならぬ覚悟の表れだ。同時に、ロンドンから離れたサンドリンガムのアンマーホール邸からロンドンのケンジントン宮殿に家族そろって居を移した。もう逃げも隠れもしない。いよいよフルタイムのワーキングロイヤルとして最前線に立つ。

 今年はダイアナ元妃(享年36)の没後20年に当たる。ウィリアム王子とヘンリー王子(33)は、初めて亡き母について口を開いた。「僕たちにとって、世界一の母だった」「母のことを誇りに思う」「母のレガシーを守りたい」と、これまで言葉に出さなかった「母」「ダイアナ」を口にした。

 これまで王室内で元妃について語るのはタブーだった。それを破ったのは、長くくすぶらせていた母への思いを自分たちなりに昇華させたからだろう。自身の癒やしにもなったに違いない。ただ、ウィリアム王子は母について公に話すのは「これが最後」と明言する。今回の一連の追悼発言は、彼が前に進むために必要だったのだ。

●影薄くなる皇太子夫妻

 キャサリン妃(35)は9月4日に第3子の妊娠を公表した。出産予定日は来春だ。前の2回の妊娠時と同様につわりが重く、公務をキャンセルしたため、発表を早めた。安定期に入れば、EU離脱を踏まえての「ブレグジット大使」の役割を再び担い、欧州諸国を訪問することになるかもしれない。9月7日、ジョージ王子(4)は私立トーマス・バタシー校に入学した。車で片道30分ほどの送り迎えはできる限り王子夫妻が受け持ちたいとしている。シャーロット王女(2)も今秋、幼稚園へ入園予定だ。2人の入学・入園で、妃にとっても新しい世界や人間関係が広がる変化の時だ。

 ヘンリー王子は2015年の退役後、取り組むべき仕事を探っていたが、数年前に傷病兵のための国際スポーツ大会「インビクタス・ゲーム」を設立、高く評価された。9月23日からカナダのトロントで第3回大会が開かれている。王子は、米国俳優メーガン・マークルさん(36)との遠距離交際が実を結ぶ日も近いとされ、プライベートでも転機を迎えるだろう。

 今年は、ウィンザー朝が始まって100周年にあたる。第1次世界大戦中の1917年、当時の国王ジョージ5世は、当時の王朝名サクス・コバーグ・ゴータ朝は敵国ドイツ名であるため、居城ウィンザー城にちなんでウィンザー朝と改称した。ロイヤルメンバーがそれぞれの転機を迎える一方、チャールズ皇太子(68)とカミラ夫人(70)の影はさらに薄くなっている。「チーム・ウィンザー」のチームワークの良さはスムーズな世代交代を促し、ウィンザー朝第5代君主の座にウィリアム王子が就くのか。波乱含みながら、100周年の転換期に注目が集まる。

(フリージャーナリスト・多賀幹子)

AERA 2017年10月2日号


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