バノン更迭でトランプ政権吉か凶か 下野したほうが恐ろしい (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

バノン更迭でトランプ政権吉か凶か 下野したほうが恐ろしい

このエントリーをはてなブックマークに追加
津山恵子AERA#ドナルド・トランプ
首席戦略官を更迭されたバノン氏。トランプ氏の「米国第一」主義の象徴的な人物だったが、政権運営にどう影響していくか (c)朝日新聞社

首席戦略官を更迭されたバノン氏。トランプ氏の「米国第一」主義の象徴的な人物だったが、政権運営にどう影響していくか (c)朝日新聞社

 米ホワイトハウスのバノン首席戦略官が「下野」した。「極右」のセレブリティーが政治の中枢にのさばっている、という異常事態は、これでホワイトハウスの外に広がることになる。

*  *  *
「自分は、トランプ(米大統領)のために、トランプの敵と戦争を始める。キャピトルヒル(連邦議会)やメディア、米経済界にいる、トランプの敵とだ」

 8月18日、ホワイトハウスがバノン氏を解任する発表をした数時間後、バノン氏は、前職だった極右のニュースサイト「ブライトバート」会長へ復帰すると発表し、過激とも言える「宣戦布告」をブルームバーグ・テレビに語った。

●トランプの敵と戦争

 米メディアによると、バノン氏は、極右視聴者のためのテレビネットワーク局を設立する計画を友人に漏らしているという。

 米国の極右、つまり白人至上主義者やクー・クラックス・クラン(KKK)、ネオナチの思想に傾倒する人々が8月12日、南部バージニア州シャーロッツビルに集合し、人種差別に反対する市民と対立する暴動に発展。反対派の女性1人が、命を落とした。当日、トランプ大統領が「いろいろな側」を非難するとして、白人至上主義など人種差別主義を名指しで否定しなかったことで、米国内は「大統領は間違っている」と騒然となった。一方で、極右は、自分たちがトランプ氏の支援を得たとして、留飲を下げた。

 その1週間後、「極右」の思想家としてホワイトハウスで最高位を獲得したバノン氏が、何の政治的な制約もなく活動できる「ただの人」になった。極右が活気づく絶妙のタイミングで、ブライトバートのアクセス数も上昇した。

 バノン氏は、極右のトップセレブであるばかりでなく、天才的な才能を各方面で発揮してきた。ハーバード大学ビジネススクールで修士号を得ると、米金融大手ゴールドマン・サックスで企業の合併・買収(M&A)を担当し、その後、ドキュメンタリー映画などを制作するようになる。「ブライトバート」の創立者と意気投合すると、「リベラル派が支配するメディア」に戦いを挑んで、同サイトの拡大に貢献した。


トップにもどる AERA記事一覧

続きを読む

おすすめの記事おすすめの記事
関連記事関連記事

あわせて読みたい あわせて読みたい