怒りの感情が湧きおこるとアドレナリンの分泌が活発になり、6秒後にピークを迎えます。その後は、少しずつ怒りは小さくなります。この6秒間をやり過ごすことができれば、衝動的な怒りの爆発に振り回されることは減ります。

 爆発しそうになったら手のひらに怒っていることを書いてみたり、前もって自分の気持ちを落ち着かせる言葉を自分なりに準備したりしておくことも有効です。

【イライラQ3】言うことを聞かないわが子に無性に腹が立ちます。

【A3】腹が立つのは恐らく、自分の思った通りにならないからではないでしょうか?

 怒りの感情は、身近な存在にほど強く出るといわれています。正しいと信じてきた自分の価値観をついつい相手に押し付けてしまい、自分と相手の価値観のギャップにイライラして怒りにつながることは多いです。

 その最も身近な存在の一人なのが、自分の子どもです。子どもへの期待が大きい分だけ子どもが自分の「~べき」に当てはまらない行動をとるとイライラしてしまいます。

 たとえ自分の子であっても、別の個性を持ったひとりの人間。そう思うことがまずは大事です。子どもの価値観を受け入れる努力をしてみることからはじめてみましょう。(文/宮本さおり)

宇都宮弘子(うつのみや・ひろこ)/アンガーマネジメントファシリテーター。元全日本空輸国際線客室乗務員チーフパーサーで、出産を機にアンガーマネジメントの講師資格を取得。日本アンガーマネジメント協会関東支部副支部長

※『AERA with Baby スペシャル保存版 子育てしながらハッピーに働く』より