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将棋教室がブームの兆し 「負けることで心が強くなる」

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長倉克枝AERA

駒の動かし方を動物の動きなどに例えて教える。初心者でもすぐに対局できるようになるという(撮影/岡田晃奈)

駒の動かし方を動物の動きなどに例えて教える。初心者でもすぐに対局できるようになるという(撮影/岡田晃奈)

「経堂こども将棋教室」を主宰する高野さん(44)。「勉強が忙しくなり辞める子もいます。将棋をやっていたことは集中力アップの役に立つ」と話す(撮影/岡田晃奈)

「経堂こども将棋教室」を主宰する高野さん(44)。「勉強が忙しくなり辞める子もいます。将棋をやっていたことは集中力アップの役に立つ」と話す(撮影/岡田晃奈)

 漫画「3月のライオン」が人気化する一方、将棋は教育の一環としても注目され始めている。集中力や持続力、相手のことを察する力。学校教育の現場で注目されているこうした基礎力が身に着くという。将棋教室に行ってみた。

 土曜日の午後。都内駅前の雑居ビルの3階にある将棋教室に、次々と子どもたちが集まってきた。小学生が中心だが、中には幼稚園児もいる。

 小学校低学年くらいの男子生徒が、

「こんにちはー」

 と挨拶をして教室に入ってくると、先生の指示に従って、同じ年くらいの対戦相手と向かい合って席についた。すぐに将棋の駒を丁寧にならべ、向き合って、

「よろしくおねがいします」

 とお互いに小さくおじぎをする。振り駒をして先手・後手を決めると、ふたりとも脇目も振らずに盤面に集中し始めた。
 一心不乱にパチパチと駒を打ち始めて5分もたたないうちに、ひとりが「負けました」と小さくつぶやいた。勝負が決まると、2人は席を立って、正面の先生の席へ行き、勝負の記録を「手合いカード」に記してもらうとすぐに、

「次は誰と指すの?」

 とまた対局に向かった。

 教室には約20人の生徒と4人の先生がいて、常に全員が他の生徒や先生を相手に対局をしている。子どもたちは黙々と盤面に向かい、パチパチと駒を打つ音が聞こえるほど、雑談は少ない。

●黙々と駒を打つ

 ここは日本将棋連盟のプロ棋士六段の高野秀行さん(44)が主宰する「経堂こども将棋教室」。教室では、15級からスタートして、教室での対局の勝数や実力に応じて最上級の初段まで昇級していく仕組みだ。

 現在1級の川上煌太郎くん(10)は、幼稚園の年中から将棋を始め、年長からこの教室に通い始めた。

「昇級したときが嬉しい。教室や大会で、いろんな人たちと話して仲良くなれるのがおもしろい」

 と話す。

 高野さんは、8年前から教室で子どもたちに将棋を教えるようになった。プロを目指すというより、将棋の楽しさを学んだり、礼儀を身につけてほしいという。


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