都議選への候補者擁立を表明している小池氏は「希望の塾」で着々と準備を進めている (c)朝日新聞社
都議選への候補者擁立を表明している小池氏は「希望の塾」で着々と準備を進めている (c)朝日新聞社
角谷浩一(かくたに・こういち)/政治ジャーナリスト/1961年生まれ。「週刊ポスト」記者、テレビ朝日報道局などを経てフリー。テレビなどで政治担当コメンテーターを務める (c)朝日新聞社
角谷浩一(かくたに・こういち)/政治ジャーナリスト/1961年生まれ。「週刊ポスト」記者、テレビ朝日報道局などを経てフリー。テレビなどで政治担当コメンテーターを務める (c)朝日新聞社

 2017年が幕を開けた。16年は、トランプ氏の大統領選勝利に代表されるように、世界中で既成概念や秩序が「反転」した年だった。今年はどうなるのか。衆院選と政局について、政治ジャーナリストの角谷浩一さんに話を聞いた。

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 先の衆院選から2年が経過し、折り返し地点を通過しました。4年の任期満了による選挙は戦後1976年に1回行われたのみで、今年は選挙になるというのが、政界の大方の予測です。

 その時期について、安倍晋三首相が新年早い時期の解散を行わない判断をしたという報道もありますが、官邸には「傷が浅くすむうちに終わらせたい」という思いは強いのではないでしょうか。あるとすれば、1月下旬解散、2月19日または26日の投開票の日程になるでしょう。

 高支持率を維持する安倍政権ですが、現在選挙になれば自公と関係が強まる維新を合わせても3分の2(317議席)の改憲勢力を維持できるかは疑問です。1人区で野党4党が候補者を一本化して臨んだ先の参院選レベルの野党共闘が行われることが前提ですが、仮に前回を上回る比例代表名簿の統一などの野党共闘が行われれば、自民党は現在の292議席から60議席減らすこともあり得ます。

 それでも、安倍首相が早期解散に踏み切るのではないかと考える理由は、三つあります。まずは、最高裁の判決を受け、小選挙区の一票の格差を是正する区割りの改正案を5月末までにまとめる方針が決定していますが、対象県に自民党議員が多いため、自民党には不利になると考えられています。新選挙区の候補者調整や周知期間に3カ月程度はかかり、その分、解散権が縛られる結果にもなります。

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