世界を変えるニッポンの技術 SFの世界が現実に!? (2/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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世界を変えるニッポンの技術 SFの世界が現実に!?

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長倉克枝AERA
VRで知覚を変える/東京大学廣瀬・谷川・鳴海研究室ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン/錯覚で空間知覚を操作する「視触覚リダイレクション」と呼ぶ技術を開発。狭い室内で無限に歩き回るゲームなどへ応用できそうだ(撮影/高井正彦)

VRで知覚を変える/東京大学廣瀬・谷川・鳴海研究室ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン/錯覚で空間知覚を操作する「視触覚リダイレクション」と呼ぶ技術を開発。狭い室内で無限に歩き回るゲームなどへ応用できそうだ(撮影/高井正彦)

ヒューマノイドロボット/東京大学情報システム工学研究室/左から災害対応向けの「JAXON」、東大助教の浅野悠紀さん(28)、生活支援をする「HRP-2」、人の筋骨格を再現した「腱悟郎」(撮影/写真部・長谷川唯)

ヒューマノイドロボット/東京大学情報システム工学研究室/左から災害対応向けの「JAXON」、東大助教の浅野悠紀さん(28)、生活支援をする「HRP-2」、人の筋骨格を再現した「腱悟郎」(撮影/写真部・長谷川唯)

 さらに、人の道徳心まで変えられるようだ。海外の研究では、VRのヘッドセットをかぶって「スーパーマン」の体験をした人は、体験後に、人を助けて落としたものを拾う行動をとるようになったという。

 見た目だけでなく、触覚や味覚に働きかける技術も進む。

 NTTが研究を進めるのは、「触感電話」。おなかと背中の位置から音と振動が出るベルトを巻いて使う。電話のプッシュボタンを押すと、「ズキューン」「グサッ」といった、腹部を貫通したかのような触感がベルトから相手に伝わる。画面には相手の顔も表示される。

「SNSのスタンプのように、触感だけで会話をしているようなものです。これは極端な例ですが、言葉がないことで、より実感を持ってコミュニケーションが図れるのではないでしょうか」

 と、NTTコミュニケーション科学基礎研究所特別研究員の渡邊淳司さん(40)は言う。

 やってみた。相手がボタンを押し、「グサッ」という音が出ると、おなかから背中に何かが貫通したような感覚がして、思わずおなかを押さえて顔を歪ませてしまった。お返しに「モコモコ」のボタンを押す。相手は困惑した表情だ。

 ベルトのおなか側と背中側とで振動のタイミングをずらすことで、腹部を貫通したかのような触感を与えることができるという。触感で感情を伝える、新たな世界が開けそうだ。

●塩味を濃くする

 電気で「味」を作り出す──。大阪大学准教授の安藤英由樹さん(42)と研究員の青山一真さん(27)が取り組むのは、そんな技術だ。

 首の後ろに電極を貼り、コップにストローをさして中に入っている液体を飲んだ。少し濃い塩水の味がする。実はわずか1%の塩水だった。電流を流すことで、3%程度の塩水と同じ味を感じるのだという。

 仕組みはこうだ。ストローを介して口の中にマイナス極を置き、電流を切ったり流したりする電気刺激を繰り返す。口の中でイオン化している塩の味覚物質であるナトリウムイオンを舌から離したり近づけたりして、味を感じやすくしているという。これもいわば錯覚だ。


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