横山:僕は逃げたいと思ったこともないですし、基本的に弱音も吐かないと決めています。

佐々木:ほんま、二宮とはえらい違いやな(笑)。

横山:口に出したら負けやし、言ってもどうにもならへんし。メンバーやスタッフの人生を背負っているので「裏切られへん」と思ってしまうんです。

●映画に期待すること

──30代の横山さんから、人生の少し先を走る40代の佐々木さんに聞いてみたいことは?

横山:40代は楽しいですか?と。男たるもの40代もモテたいじゃないですか。僕も蔵之介さんみたいに、バリバリおモテになるような男になりたくて……。

佐々木:見たんかい(笑)。

横山:20代の頃の自分から見たら、30代後半なんておっさんやと思ってましたけど、実際の自分は昔からあまり変わっていないような気がします。

佐々木:僕もそう思う。ある演出家から「30代でたくさん仕事をしておけば、40代はラクになる」と言われて一生懸命やってきたけど、40代になった今だって大変ですから。きっとこの先も、頑張り続けるのかなと。

──映画は何かの力になれるでしょうか。

横山:テレビの現場で、やりたいことと規制の間で苦悩する監督の姿を何度も見ました。映画やからOKということがあります。映画なら、大事な芯の部分をちゃんと作れる。お客さんも映画に、そういうことを期待してはるんやろうと思います。

佐々木:桑原という役も激しい乱闘シーンも、地上波では難しいかもしれません。日本映画が好調なのは、多くの人が劇場へ足を運んでくださっているということ。だからこそ、そこでしか見られないものを作らなければと気が引き締まる気持ちです。

(ライター・まつざきみわこ)

AERA 2017年1月2-9日合併号