今のテレビをつまらなくしたのはコイツだ! ディレクター本音座談会 (2/4) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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今のテレビをつまらなくしたのはコイツだ! ディレクター本音座談会

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テレビ番組をつくる際、その実務のほとんどを担当するのが下請け会社。そこに所属する人々の話を聞けば、テレビ界の「本当の今」が浮かび上がってくる (※写真はイメージ)

テレビ番組をつくる際、その実務のほとんどを担当するのが下請け会社。そこに所属する人々の話を聞けば、テレビ界の「本当の今」が浮かび上がってくる (※写真はイメージ)

Cさん:セクハラやパワハラも問題です。飲み会の席で先輩から「お前をディレクターとして育ててやるから」と体を触られ、露骨に体の関係を迫られました。ADからディレクターに昇進するには先輩に引き上げてもらい、可愛がってもらわないと難しいから、強く出ることができず、歯がゆかった。

Bさん:もっとも、ディレクターになっても、実態はADということは多い。若手が育たないから、ディレクターの仕事が減らない。ロケの場所の仕込みや車両の手配にリサーチ業務……いまだにAD業務をやっている。AD不足は、いま現場で一番がむしゃらに働いているディレクターの最大の悩みなんですよ。

Aさん:いまの若手はテレビに対する情熱が薄いからね。昔はリサーチをお願いされたら、図書館に行って調べたり、聞き込みに回ったりしたもの。いまの若手は平気でネット上のまとめサイトのページをコピペして出してくるなど、汗をかこうとしない。とにかく、面白い番組を作ろうという意欲がない。

●地デジ移行で制作費カットに

Dさん:テレビすら持ってない若手も珍しくないからね。その分「なぜネット炎上は起こるのか?」みたいな、我々世代にとってはある意味斬新なテーマを出してきたりもするけど、テレビは基本、高齢者向けに作っているから企画も通りづらい。

 制作費が下がって薄利多売にならざるを得ず、いまは国内ですら地方となるとディレクター1人で行く時代。海外ロケにも若手を連れて行き、そこで先輩が教えるという文化があった昔とは大違いです。仕事後に飲みに行くこともめっきり減ったし、いまの若手はモチベーションを持つのが難しいという面もある。

Eさん:制作費が下がり始めた最初のキッカケは、地デジ化だったんじゃないかな。その設備投資にお金がかかるからという理由で、あれから緩やかに下がり続けている感じだね。例を言えば、ニュース番組の15分の特集を作るのに15年くらい前なら150万円は出たけど、いまは100万円。その結果、グルメもの中心になってしまった。下調べに時間がかかるとはいえ、取材は3日程度で終わる。

 一方で、たとえば詐欺グループを追うような調査報道ものは、下手すれば半年かかる。時間と手間がかかることはできず、昼のワイドショーに至っては、もはや自分たちでネタを取材せず、週刊誌を朗読するだけ。


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