いまや、新しいビジネスやサービスを始めるときに、プログラミングは必要不可欠だ。
『非エンジニアのためのプログラミング講座』の共著者でキラメックス社長の村田雅行さんは、企画者と開発者の距離を縮めることが、ビジネスの成功のカギを握ると指摘する。
だからこそ、非エンジニアがプログラミングを学ぶケースが増えているのだが、逆にエンジニア側が歩み寄ることでニーズをつかみ取り、成長してきた企業もある。検索エンジンを開発するフォルシアだ。
社長の屋代浩子さん(51)は言う。
「技術は誰かに使ってもらうことで初めて技術として生きる」
フォルシアの行動指針でもあるこの言葉を実現するには、まずプログラマー自身が自分にどういった能力があるかを把握して、それを顧客に伝えたうえで、相手が何をしたがっているのか正確にくみ取ることが重要だという。
「そうやって『技術力』と『発想力』を結び続けてきました」(屋代さん)
例えばフォルシアの看板商品である検索エンジン「Spook」(スプーク)は、独自に開発したプログラミング技術でデータの軽量化に成功し、通常の検索システムの50~100倍の検索スピードを実現した。
その技術で何ができるようになったのか。
●技術力だけではダメ
多くの旅行サイトでは、エリアや日付といった条件を入れなければ検索できなかった。検索対象となるデータがあまりにも多く、検索に時間がかかりすぎるため、まずは対象自体を絞り込む必要があるからだ。