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蓮舫だけじゃない! あなたの隣にも二重国籍者が…?

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山本大輔AERA

米国の大学に通う女子学生が所有する米国と日本の旅券。この1年でどちらかの国籍を選ぶ必要があり、悩んでいる(撮影/編集部・山本大輔)

米国の大学に通う女子学生が所有する米国と日本の旅券。この1年でどちらかの国籍を選ぶ必要があり、悩んでいる(撮影/編集部・山本大輔)

台湾籍が残っていたことを記者会見で明らかにした民進党の蓮舫氏(9月13日、東京・永田町の参院議員会館) (c)朝日新聞社

台湾籍が残っていたことを記者会見で明らかにした民進党の蓮舫氏(9月13日、東京・永田町の参院議員会館) (c)朝日新聞社

主なケースにみる日本での国籍選択義務の流れ

主なケースにみる日本での国籍選択義務の流れ

 移民などに詳しい国士舘大学の鈴木江理子教授(社会学)は指摘する。

 台湾との二重国籍を指摘された民進党の蓮舫氏の場合は、重要閣僚に就く可能性がある場合の安全保障の問題などが挙げられた。国籍を持つ二つの国の対立時にどちらにつくのかという忠誠の問題で、特に野党第1党の党首となれば、重要な問題であることは間違いない。

 10月4日には自民党の小野田紀美参院議員が米国との二重国籍を公表し、米国籍の放棄手続きを進めていると説明。6日には安倍晋三首相が参院予算委員会で、重国籍者が首相や外相、防衛相などの外交・安全保障を担う閣僚になることができる現状の「問題点を整理し、しっかりと研究したい」と述べるなど、政治問題化している。

 ただ、鈴木教授は、二重国籍は政治家に限定した議論というよりも、広く一般市民の生活にかかわるテーマだとみる。安全保障などへの対応は、重国籍者の首相や閣僚就任を禁ずるなど個別に対応できると話す。また、蓮舫氏の問題も「国籍=自身のルーツ(アイデンティティー)」というとらえ方で考える。

「国会議員として『蓮舫』と名乗っているのなら、台湾人の父を持つという自身のルーツに、もっと自信を持ってもらいたかった。公的な立場にいる彼女が誇りを持って語ることができれば、台湾にルーツを持つたくさんの人たちの励みになったはずです」

●国境を超える家族

 さらに教授は、「国籍=家族のあり方」でもあると強調する。

「グローバル化が進展する中で、国境を越え、国籍国ではない国で『外国人』として生活し、学び働く人が増えている。時に出会いも国境を超え、その結果、家族の形成自体が国境を超える時代になっています」

 両親が他国にいる時に生まれた子どもが二重国籍となる場合に加え、外国人との国際結婚により、その子どもも含めて二重国籍となる人たちも増えている。

 鈴木教授によると、2015年の日本の統計では、30組に1組が国際結婚で、外国と日本の両方のルーツを持つ子どもたちが珍しくなくなっている。それだけに国籍に対する考え方や国内法は、時代を反映しきれていないと指摘する。

「全てに二重国籍を認めるのは難しいとしても、家族の形成に伴うものについては認めるべき。そうした問題にまずは向き合うべきです」(鈴木教授)

 移民社会を見据えた戦略的な見方もある。

 民進党の初鹿明博衆院議員は人口減少やグローバル化などを背景に、優秀な人材の取り合いが世界で加速するとみる。米経済誌フォーブスによる今年の米国の長者番付上位400人の1割が移民。五輪メダリストが別の国籍で再びメダルをとるなど、国益重視の人材獲得合戦はすでに始まっている。


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