現役厚労幹部官僚が告発「日本の医療制度は最短5年で破綻」 (3/5) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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現役厚労幹部官僚が告発「日本の医療制度は最短5年で破綻」

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編集部・熊澤志保AERA#健康#医療
午前中の病院の待合室は、診察を求める高齢者らでごった返すことが多い。国民皆保険の恩恵とも言えるが、いつまで持続可能なのだろうか(撮影/写真部・松永卓也)

午前中の病院の待合室は、診察を求める高齢者らでごった返すことが多い。国民皆保険の恩恵とも言えるが、いつまで持続可能なのだろうか(撮影/写真部・松永卓也)

膨らむ医療費(厚生労働省などの資料から

膨らむ医療費(厚生労働省などの資料から

国民健康保険の収支と内訳(国民健康保険事業状況報告書から)

国民健康保険の収支と内訳(国民健康保険事業状況報告書から)

上:能力に応じた負担がきれいですよね。収入の高い人には、一定の負担をしてもらうのが現実的でしょう。

 公的保険の対象に何を入れて何を外すかは難しい問題で、意見が分かれます。優先順位は、本来は国民がつけるべきですよね。

●遠隔医療進む米国

上:日本の医療サービスは、コスト+最低利潤という発想で、一律公定価格である点にも問題があると思います。いいか悪いか、どこも比較しようとしない。コストを削減しようとも、付加価値を追求しようともしない。現在の医療の単価が高いのは、国が買い上げてくれるからです。

K:医療サービスでも自由診療を増やし、競争原理を働かせるべき、ということですね。自己負担になれば、受給者側も、適正な頻度でサービスを受けるようになるでしょう。

上:市場競争が起これば、価格も自然に下がります。日本の医療界は、あまりにも遅れています。コストを下げれば価格競争力を持ち、世界に打って出ることもできる。米国ではすでに、医療コストが低く、スマホひとつで遠隔診療ができる「テレメディスン」が注目されています。今後はこの領域が発達していくでしょう。

 ところが、日本ではいまだに、高いお金をかけて全国で病院ばかり建てている。固定費が増え、赤字リスクが増すばかりです。

K:目立つ建物が建てば、住民が喜ぶ。津々浦々に公的病院を造って、赤字が膨らむ悪循環ですね。民主主義的ですが、残念な発想です。現在の政治システム上、思い切ったかじ取りは、実現が難しそうです。

上:いま、もうかっている層の利権が複雑に絡み合っているからでしょう。

K:医療財政破綻のXデーがくれば、上さんは、何が起こると思いますか。

上:色々なことが一度に起こると思うので、正確なところは予想しづらいですが、まず、一部の公的病院から経営破綻すると思います。診療報酬が支払われない、あるいは大幅カットになれば、キャッシュフローが滞るからです。診療報酬に依存する病院から潰れていく。美容外科や人間ドック、保険診療以外で収益を確保している病院は別として、補助金や診療報酬の割合が高い、地方の公立病院が厳しくなると思います。経営合理化が進んでいたり、不動産など安定した財政基盤があったりすれば、強いかもしれません。大学病院も研究費を減らされるでしょうから、ジリ貧になる。診療業務はギリギリまで頑張るかもしれませんが。

●チーム医療より一匹狼

K:医師はどうなるでしょう。


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