葬儀社によっては「火葬場が混雑しているので、◯日後にしか葬儀ができない」というところも。これは「自社で葬祭場を持っていない葬儀社が客を逃がさないために使う常套句」(A氏)とか(撮影/田茂井治)
葬儀社によっては「火葬場が混雑しているので、◯日後にしか葬儀ができない」というところも。これは「自社で葬祭場を持っていない葬儀社が客を逃がさないために使う常套句」(A氏)とか(撮影/田茂井治)
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 いつかは誰もが付き合う葬儀社。だけど、知らないことがいっぱいだし、ちょっと怖いイメージだ。葬儀社の社長に“舞台裏”を聞いた。

──近年、手ごろな価格のプランで葬儀社を紹介する“ネット葬儀社”が増えています。業界にはどのような変化が? 
A:単価が確実に下がりましたね。10年ほど前までは200万~300万円かけてお通夜と告別式をやるのが一般的でしたが、あるネット葬儀社の調べでは最近の平均単価は120万円前後。ウチもネット葬儀社から仕事をもらってるんですけど、ここ5、6年で、1日で告別式だけやる“一日葬”や、火葬だけの“火葬式”が非常に多くなっています。単価にすると50万円未満の葬儀がほとんどですね。

C:病院と契約している業者は特に大変みたいですね。私が某都立病院の関係者に聞いた話では、2、3年前までは病院で亡くなった方の葬儀をその“病院付き”の葬儀社が行う比率は4~5割だったそうです。ところが、今は1~2割。「病院と契約している葬儀社は高い」という情報がメディアを通じて知れ渡ってしまったので、敬遠される遺族が増えたようです。

●契約料は2千万円

──病院と葬儀社の関係はよく耳にします。なぜ、そうした葬儀社は、高くなるのでしょう?

C:大半の病院は特定の葬儀社と契約を結んでいます。その病院で患者さんが亡くなると、病院付きの葬儀社が病室から霊安室に運び、ご遺族の方と今後について打ち合わせます。このような病院付きの葬儀社は莫大な経費がかかるため、高くなりがち。当社の近くの民間病院ですと、年間2千万~3千万円積まないと契約できないと聞いてます。病院に泊まり込む当直の人間も置かなくてはなりません。

B:霊安室の賃料を支払うかたちの契約もありますよ。月20万~30万円とか。その場合も、霊安室のカギをもらって、その部屋の隅に机を置いて電話線を引っ張って、と諸々かかります。

──病院にはどういう名目でお金を払うのですか?

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