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米大統領選 アウトサイダー支持から見える「声なき大衆」

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バーニー・サンダース氏(写真:gettyimages)

バーニー・サンダース氏(写真:gettyimages)

バーニー・サンダースの支持者エイダ・バルガス(23、左)と友人は、自作のバッジを集会で売り、売り上げをサンダース陣営に献金する。ニューヨーク州予備選の翌日から会議を開き、挽回策を練る(撮影/ジャーナリスト・津山恵子)

バーニー・サンダースの支持者エイダ・バルガス(23、左)と友人は、自作のバッジを集会で売り、売り上げをサンダース陣営に献金する。ニューヨーク州予備選の翌日から会議を開き、挽回策を練る(撮影/ジャーナリスト・津山恵子)

ドナルド・トランプ氏(写真:gettyimages)

ドナルド・トランプ氏(写真:gettyimages)

ドナルド・トランプの集会に2人の娘を連れ、テキヤから20ドルで買った旗を掲げるキャサリン・サグリベーネ(43、右)。「ここ数年はつらいことが続いた。トランプが立候補してくれたのはうれしい」と話す(撮影/ジャーナリスト・津山恵子)

ドナルド・トランプの集会に2人の娘を連れ、テキヤから20ドルで買った旗を掲げるキャサリン・サグリベーネ(43、右)。「ここ数年はつらいことが続いた。トランプが立候補してくれたのはうれしい」と話す(撮影/ジャーナリスト・津山恵子)

 米大統領選で指名候補争いの首位を走るトランプと、若者に支持を広げるサンダース。共和・民主両党とも非主流派が“主役”の選挙戦を占うのは、「声なき大衆」の動向だ

「投票に行った人は、ビール、コーヒー1杯がタダ」

 4月19日、ニューヨークの街には、そんな看板が数多く出現した。

 民主党の牙城で、過去の大統領選はほぼ無風だったニューヨーク州。2月から始まった予備選の投開票がこの日、同州であり、街は選挙一色になった。共和党候補でトップを走る実業家ドナルド・トランプは地元出身、民主党候補も、前国務長官ヒラリー・クリントンが同州から上院議員に2回選出され、上院議員バーニー・サンダースも地元出身と、ゆかりのある候補者が3人もそろったからだ。

投開票日を前に一段と目立ったのは、サンダースの選挙戦だった。13日にマンハッタンのワシントンスクエア公園で開いた集会には、同じ場所で過去最高の2万人を集めたオバマの集会を上回る2万7千人が殺到した。半数以上が学生などの若者で、まるでスターのコンサートのような高揚感に包まれた。

 かすれた声で、母音を強調するブルックリンなまり丸出しのサンダースは、演説の半分以上を、ライバルのクリントン批判に費やした。事前の支持率調査で、クリントンに2桁の差をつけられていたが、地元出身の強みで、逆転を狙っていた。

「欲に目がくらんだ『アメリカ株式会社』から受け取った政治資金で選挙を戦うのは民主主義ではない。少数独裁主義だ!」

 若者から、キャーッと歓声が上がる。サンダースは、企業や高所得者からの献金は受け付けず、有権者からの小口献金で戦う。一方、クリントン陣営は、これまでに集めた資金の4分の1弱が、大企業や富裕層から上限なく献金を受けられる「スーパーPAC」経由だ。これが、低成長時代を生き抜く若者には響かない。

「金融の中心ウォール街や首都ワシントン、アメリカ株式会社など1%の支配層は、億、万の人々の味方にはなってくれない。我々は、彼らを一掃し、『政治革命』を起こすんだ!」

 イスラム教徒、同性愛者、ヒスパニック系やアジア系など多彩な支持者が、手をかざして、
「バーニー! バーニー!」と繰り返した。

 17日、共和党のアウトサイダー候補者、トランプがニューヨーク州南部ポキプシーで開いた集会の顔ぶれは、全く異なっていた。白人の中高年が圧倒的多数で、非白人はほぼ皆無だ。さらに、トランプグッズを売るテキヤが、Tシャツに書かれた下品な文句を大声で叫ぶ。

「ヒラリーはムカつく。トランプ、あの雌犬をやっちまえ」「やっとキンタマがついた大統領が出てきた」

 過去にも、ほかの候補者の集会でも、見たことがない光景だ。しかし、移民排除・女性蔑視発言や、ライバルの上院議員テッド・クルーズへの「嘘つき」呼ばわりなど、トランプの政治家らしからぬ発言を楽しんでいる支持者は、笑って次々とTシャツを買う。

トランプを見ようと、大きな双眼鏡を2台も持参していた支持者は、こう話した。


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