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日本全体がバーゲン状態? 一部の層に偏る円安メリット

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東京・銀座を闊歩する外国人旅行者たち、「爆買い」の勢いは増す一方だが、恩恵を受ける人はそう多くはない(撮影/今村拓馬)

東京・銀座を闊歩する外国人旅行者たち、「爆買い」の勢いは増す一方だが、恩恵を受ける人はそう多くはない(撮影/今村拓馬)

 アベノミクスが華々しくスタートして3年。株価は上がり失業は減ったが、景気は今ひとつぱっとしない。日本経済は暗く長いトンネルから抜け出すのか、奈落の底へ逆戻りするのか。

 民主党政権の野田佳彦首相が衆院解散を表明した12年11月中旬に1ドル=80円ほどだった円相場は今、1ドル=120円前後。米ドル以外の通貨との交換比率や物価変動を加味して日本円の総合的な実力を示す「実質実効為替レート」をみると、円が変動相場制に移行した1973年初め以来となる歴史的な安値水準にある。日本円の「強さ」は40年以上前のレベルに落ち込んでいるのだ。

 もちろん、円安にはプラスの側面もある。

「Kawaii!」

 和歌山県内を走る14.3キロのローカル線、和歌山電鉄貴志川線の貴志駅。ガラス張りの「駅長室」で気持ちよさそうに寝そべるメスの三毛猫を写真に収める人たちの中には、アジアや欧米からの外国人客も目立つ。

 PR役として全国的に有名になった初代「たま駅長」は15年6月に死んだが、駅長代行だったニタマが「たまⅡ世駅長」を襲名。近年は215万人前後だった貴志川線の乗客数は13年度に初めて220万人を突破し、今年度はさらに客足が伸びているという。その原動力となっているのが外国人客だ。

 珍しいネコの駅長を多くの海外メディアが取り上げ、香港やタイといったアジアからの観光ツアーに大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどと一緒に組み込まれるようになった。バスで駐車場のある別の駅に乗り付け、貴志駅まで鉄道の旅を楽しみ、駅長室のニタマを見学するツアー客も多いという。

「外国人客は推計で年間10万人に迫る勢いと見ています」(和歌山電鉄の山木慶子取締役)

 日本を訪れる外国人客は、アベノミクスが本格的に始まった13年に初めて1千万人を突破。15年は12月中旬までの累計で1900万人を超え、政府が20年時点の目標としていた2千万人に迫る。外国人客が15年、日本で使ったお金も3兆円台半ばに達する見通しだ。


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