実は南ア戦じゃない? 五郎丸のターニングポイントは◯◯ (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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実は南ア戦じゃない? 五郎丸のターニングポイントは◯◯

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日本代表の副主将。「リーダーのあるべき姿は長所をどんな環境でも出せること」。五郎丸の長所はフル出場を続けることだった(撮影/写真部・東川哲也)

日本代表の副主将。「リーダーのあるべき姿は長所をどんな環境でも出せること」。五郎丸の長所はフル出場を続けることだった(撮影/写真部・東川哲也)

 世界的な名将エディ・ジョーンズヘッドコーチ(HC、現・イングランド代表HC)のもと、日本代表は「日本ラグビーの歴史を変える」という大きな目標を掲げてW杯に臨んだ。 早稲田大学在学中の19歳で初めて日本代表に選ばれた五郎丸にとっても、初めてのW杯。初戦で、優勝2度を誇る南アフリカを34対32で破る大金星を挙げ、五郎丸の「ラグビーに奇跡はない。必然の勝利です」という発言は大きく取り上げられた。

 しかし五郎丸がW杯を振り返るとき、強く印象に残っているのは意外にも別の一戦だという。

「僕の中でターニングポイントはサモア戦だったんですよ」

 南アに勝って世間の関心を一気に集めたが、中3日で臨んだスコットランドには10対45の大敗。3戦目で迎えた相手が、日本が過去3勝11敗と歯が立たなかったサモアだった。

「最初の南ア戦は自分たちは勝つ気でいましたが、周囲は誰も期待していなかった。サモア戦は、ラグビー界として日本の期待を背負った初めての試合。そこで勝てたのは大きかった」

 頭にあったのは、2019年に開催される日本大会。ラグビー人気を盛り上げ、次期開催国としての責任を果たさなければならない。イングランドの地で温かなもてなしを受け、スポーツが文化として根付く国の懐の大きさも感じていた。南ア戦の勝利が偶然でないことを証明し、ラグビーに興味を持った新規ファンにそっぽを向かれないためにも勝つことが重要だった。

「ネガティブな重圧でなく、期待される喜びしかなかった」
 
 26対5で完勝したサモア戦は、日本代表として責任を果たせた象徴的な試合だったのだ。

AERA  2015年12月28日―2016年1月4日合併号より抜粋


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