フリー映像ディレクター阿部敦史さん(52)トライアスロンを始めてセルフコントロールの大切さを改めて感じた。「体だけでなく、生き方全体をメンテナンスしている感覚」(撮影/写真部・長谷川唯)
フリー映像ディレクター
阿部敦史
さん(52)
トライアスロンを始めてセルフコントロールの大切さを改めて感じた。「体だけでなく、生き方全体をメンテナンスしている感覚」(撮影/写真部・長谷川唯)

 街でランナーを見かけることも増えた昨今。その次の目標として注目されつつあるのが、トライアスロンだ。50代でトライアスロンデビューを果たした男性は、その強烈な達成感に魅了されたという。

 都内に住むフリーの映像ディレクター、阿部敦史さん(52)は、仕事で会った人のこんな一言で、心に火をつけられた。

「フルマラソンを走ってるんですね。僕なんかハーフがやっとですが、この間トライアスロンに出ました」

 阿部さんは40代で多くの市民ランナーが目指すサブフォー(4時間切り)を達成。ちょうど、次の目標が欲しくなっていたときだった。

 今年1月からトライアスロンのスクールに通い、5月にホノルルで行われるレースを目指した。苦手なスイムの練習では、当初100メートル泳ぐだけで息があがった。そのときは、レースでの1500メートルなんて想像がつかなかった。しかも本番は、プールではなく足のつかない海なのだ。

 恐怖を乗り越えるため、プライベートレッスンのほか講習会、合宿にも最大限参加した。そしてついにホノルルを、泳いで、こいで、走ってゴール。感じたことのない達成感に打ち震えた。

 この年でチャレンジしたからこそ気づいたこともある。

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