義理・人情にオーストリア人も共感? 「寅さんサミット」に2万人集う 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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義理・人情にオーストリア人も共感? 「寅さんサミット」に2万人集う

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山田洋次監督公認の寅さんガイド・野口寅次郎さん(右)と、弟子の若井とらさん。主催者は「来年も開催する予定です」とコメント(撮影/ライター・小野ヒデコ)

山田洋次監督公認の寅さんガイド・野口寅次郎さん(右)と、弟子の若井とらさん。主催者は「来年も開催する予定です」とコメント(撮影/ライター・小野ヒデコ)

役者の男性(31、左)は、一日中主題歌を弾き語り観客を魅了。「先月、全48作を1年かけて見終わりました。渥美清さんは芝居のお手本です」(撮影/ライター・小野ヒデコ)

役者の男性(31、左)は、一日中主題歌を弾き語り観客を魅了。「先月、全48作を1年かけて見終わりました。渥美清さんは芝居のお手本です」(撮影/ライター・小野ヒデコ)

 高い共感能力(惚れっぽさ)と対人関係スキル(テキ屋の口上)。東京の下町・葛飾柴又が生んだ究極の自由人「寅さん」の姿は、世知辛い現代社会に何を問いかけるのか。

 秋晴れの11月7日。「寅さんサミット2015~日本の原風景を守り、後世に伝える~」の開会式で映画監督の山田洋次さん(84)が、満員のファンに語りかけた。

「寅さんのことを忘れずにいてほしい」

 映画「男はつらいよ」の主人公、車寅次郎こと「寅さん」。テキ屋稼業で全国を回りつつ、旅先で出会った「マドンナ」に恋心を抱き、故郷・葛飾柴又に帰ってきては騒動を起こす。主演の渥美清さんは1996年に惜しまれつつ亡くなったが、その人情劇は今も多くの人に愛されている。

 今年初開催の「寅さんサミット」。2日間にわたって“聖地”葛飾区柴又帝釈天題経寺(だいきょうじ)境内ほか3会場にて開催、のべ2万1千人の来場者で賑わった。

「長年にわたって帝釈天参道などの商店街や区民から開催の声が上がっていたところに今回葛飾区が支援をし、開催に至りました。反響は予想以上でした」と葛飾区役所観光課の原山勇人さん(28)は言う。

 今回のサミットでは、映画上映、寅さんの妹・さくらを演じた倍賞千恵子さん(74)も参加してのトークなどイベントが盛りだくさん。映画ロケ地と柴又をつなぎ、相互交流を通して各地域を盛り上げるという意向もあり、オーストリアのウィーンなどのロケ地を含む15の自治体や地域が参加。各地域特産品の展示・販売も催された。

 都内で輸入販売業を営むオーストリア出身のヘルムト・ギーブさん(60代)はこう語る。

「寅さんは面白い。ドイツ語には“義理・人情”という言葉はないけど、それに似た感覚はあるから共感できる」

 今回のサミットで、ひときわ目を引いたのが仮装イベントだ。寅さんの仮装で参加した中1男子(12)は、千葉県から1人で参加。同年代に寅さん好きはいないが、「テレビで見て好きになった。気立てが良くて、思いやりがあるところが良い」。

 また、参道付近では葛飾区在住の芸人で山田洋次監督公認の寅さんガイド野口寅次郎さん(65)が、寅さんそっくりの芸を披露し観衆の笑いを誘っていた。野口さんは渥美清さんが亡くなった96年から毎月10日(フーテンの日)と休日に寅さんの格好をして柴又へ足を運ぶ。多い時だと一日30人前後のガイドをし、のべ100人から写真を撮られるという。

AERA 2015年12月7日号より抜粋


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