IS台頭でアルカイダ世代交代か 「アラブの春」世代の影響 (2/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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IS台頭でアルカイダ世代交代か 「アラブの春」世代の影響

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フランスでは2015年1月に、政治週刊誌「シャルリー・エブド」襲撃事件も起きている(写真:gettyimages) 

フランスでは2015年1月に、政治週刊誌「シャルリー・エブド」襲撃事件も起きている(写真:gettyimages) 

 しかし「アラブの春」はその後、力でつぶされる。シリアではアサド政権がデモの武力制圧に出て内戦が激化し、エジプトでは軍のクーデターでムルシ大統領が排除された。シリア内戦ラブの春」から流れてきた若者たちのエネルギーを吸収して、ISが生まれた。

 ISはいまや、本家のアルカイダと対抗する存在となった。アルカイダが領土を持たない戦闘集団だったのに対し、ISの新しさは支配地域を持ったことにある。そこで、厳格なイスラム法による統治を始め、シナイ半島のアンサール・バイトルマクディスや、リビアのアンサール・シャリーア、ナイジェリアのボコ・ハラムなどの元アルカイダ系組織がISに鞍替えした。

 ISの台頭はアルカイダの世代交代の側面もある。ISの最高指導者アブバクル・バグダディは1971年生まれの44歳だが、ビンラディン後、アルカイダを率いるザワヒリは51 年生まれの64歳。2人には20歳の年齢差がある。ISは「ポスト・アルカイダ」世代なのだ。

 欧米はISを徹底的な監視の下に置いているが、ISを監視してもパリやシナイ半島でのテロを阻止することはできなかった。アラブ世界の各地で「アラブの春」世代の若者が、それぞれの土地に根差した独自の過激派支配地域づくりを目指していると考えるべきだろう。

AERA 2015年11月30日号より抜粋


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