「不便だけど不幸ではない」認知症の当事者の思い (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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「不便だけど不幸ではない」認知症の当事者の思い

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佐藤雅彦さん(61)さとう・まさひこ/1954年生まれ。51歳でアルツハイマー型認知症との診断を受ける。自著『認知症になった私が伝えたいこと』が2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞書籍部門優秀賞を受賞(撮影/家老芳美)

佐藤雅彦さん(61)
さとう・まさひこ/1954年生まれ。51歳でアルツハイマー型認知症との診断を受ける。自著『認知症になった私が伝えたいこと』が2015年度日本医学ジャーナリスト協会賞書籍部門優秀賞を受賞(撮影/家老芳美)

 認知症というといまなお、「何もできない」「困ったことをする」「すべて忘れる」といったレッテルを貼られがちだ。「日本認知症ワーキンググループ」共同代表として、認知症の当事者の立場から発信を続けている佐藤雅彦さん(61)は、認知症当事者としての思いを次のように話す。

*  *  *
 ひとり暮らしにこだわるのは、自由にのびのび生活したいから。パソコンのGoogleカレンダーに予定を入れ、出かける時間を忘れないよう、携帯電話のアラーム機能も使っています。

 誰かに生活を決められて指示どおりに動くのは、楽だけれど、自分らしさがなくなる。他人起点じゃなく、自分がどう暮らしたいか。認知症の人も、それを発信していかないと。日本人は以心伝心で通じると思いがちだけれど、自分が考えていることを言葉に出さないと、人には伝わらないですよね。

 毎日がチャレンジングです。生活の中で失敗もたくさんします。私は糖尿病の持病があるんですが、インスリンを打つ注射器を持って出かけるのを忘れたりします。でも、不便だけれど不幸ではない。長年かけて、そういう境地に至りました。最初はどん底まで落ち込みましたが、認知症になってからのほうが、ポジティブになったと思います。

 食わず嫌いにならず、新しいことにはどんどん挑戦しようと思っているんですが、「第九」の合唱に参加したら、ドイツ語を覚えるのが難しく挫折しました。ラジオで英会話を始めてみても、頭に入らなかった。


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