「おやじは本当に、子どもの僕から見てもものすごい親ばかで(笑)、愛してくれたんですけど、仕事でいないことも多い。だから僕は、親戚や近所の人に本当にお世話になって、育てられました。もし自分に家族もなく、地域の人たちの支えもなかったら、政治家にもなっていなかったと思うし、今の自分はないと思う。これって共助だと思うけど、共助の発想って寄付と同じですよね」

 日本人の寄付への意識について、「災害があったりすると寄付するんだけど、一過性で終わってしまう。それがとても残念で。底上げされないんですよね」と話す進次郎氏。こんなアイデアを温めている。

「社会のあちこちに1円専用貯金箱がおいてある。一人1日1円寄付したら、日本の人口からして1日1億円になる。1年で360億円です」

 この額は、来年度の厚生労働省による子どもの貧困対策等のための予算要求額である366億円に匹敵する。

「国の予算を使わずに政策が実現できるんですよ。クリスマスにはサンタクロースのプレゼントのように、どこかに役立てられるといい。とてもすてきなことだと思う」

 僕は本気で思っているんです、と念を押した。

AERA  2015年11月9日号より抜粋