共働きの三種の神器のひとつ、食器洗浄乾燥機。「これがないと働き続けられない」という悲痛な妻の叫びがよく聞かれる(撮影/写真部・植田真紗美)
共働きの三種の神器のひとつ、食器洗浄乾燥機。「これがないと働き続けられない」という悲痛な妻の叫びがよく聞かれる(撮影/写真部・植田真紗美)

 保育料、ベビーシッター代、家事代行費、タクシー代……。子育てしながら働くためにはコストがかかる。コスパや心理的ジレンマから「専業主婦の方がいいのでは」という思いもよぎりそうだが、専門家は「仕事は続けた方がいい」と助言する。その理由は。

 IT系クリエーティブ職の女性(31)は、午後4時半までの時短勤務中。年収は300万円で、長男(2)の出産前の3分の2になった。管理職の夫(34)は年収700万円で、家事や育児の分担は個人年収に反比例するかのように、夫2:妻8に落ち着いた。

 ベビーシッターは、会社の補助もあって月3千円ほどの自己負担で済んでいるが、「月2回が自分なりの限度」。それを超える回数の夜の勉強会や会食は欠席することにしている。

「時短を取ると昇給や昇格が望めなくなってしまった。評価される可能性がないなら、自腹を切ってまでスキルを高めようとは思えなくて。完全に出世コースから外れたマミートラック状態です」

 収入とコストの損得勘定に加え、心理的なジレンマにも陥りがちだが、ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんはこうアドバイスする。

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